2004年に第1版発行。「この世界の片隅に」のこうの文代さんの漫画です。TSUTAYAに平積みしてあったので思わず買ってしまいました。
う、薄い。
だ。だけどですね。
個人比ですけど。これは号泣です。
いや、泣きたい人に手にしてほしい訳ではなくて。むしろ。泣き活「泣ける感動作!!」とか苦手な人がボロッと泣いてしまう作品だと思うのです。
が・つーーん……、ですよ。
東日本の震災の時に、関東大震災の直後のようだと言った人がいた。辛かった経験も分かち合う事によって乗り越えたような気がしている。
ヒロシマ、ナガサキのようではない。それは時限爆弾のように。皆が見ないようにして、忘れたように知らないフリをして、過ぎるのを待っている。分かち合わずに。
このままでいいのだろうか。
しかし人の恥部に触れるような後ろめたさがある。同じ立場ならまだしも。共通点があるならまだしも。同情できる何かがなければ。
しかし同情できるわけない。そこに居なかったから。
そこに居た人は「死ねばいい」と思われた人。そして知り合いは多く死んでしまった。死体をたくさん跨いで生き残って来た人たちなのだ。罪悪感と後悔で、未来なんてない。結婚せず、子孫を残したくない人たちなのだ。原爆にあったばっかりに。
隣の人を「死ねばいい」と思うだろうか。
漫画で35ページです。
こんなに短い作品で、見て見ぬフリしていたヒロシマを見せられた。。。終わらせてはいけない。
ヒロシマは終わった過去の話ではない。
争いが起これば必ず勝ち負けで収束する。誰かが負ける。今の日本は平和にボケていて、戦争の痛みを実感できない。死んだら痛いんだぞ。苦しいんだぞ。争わない道を探すべきでしょう。
火事や地震では助けあい、生きることに前向きな日本人だけど、
世界の中で、被爆国として、もっと平和を訴えてもいいと思う。
私がヒロシマを後回しにして見ないようにしていたのは、ツライから。私と同じような人が何の理由もなく殺されたから。
「私でなくて良かった」「少し違っていたら私も同じような目にあっていた」「10分違っていたら」みたいな事はよくある。
私はやはり知らなければいけないと思う。
そしてこういう本は皆に広がっていかなければいけないと思う。
「桜の国」も「夕凪の街」から繋がっています。
イラストも綺麗。素敵な色合いです^_^
(漫画は「描く」ものだけど「読む」ものですよね。しかしこの作品の余韻はスゴイ。言語化できないフワフワを絵にしています^_^)