私の数少ない読者の皆さま、お騒がせしてすいませんでした。まずお詫び、そして感謝。
右の胸にしこりを発見し、慌てて遺書までつくりそうでした。財産なんて勿論ないけど、1人1人にあて手書きの手紙を書きかねません^_^あー、恥ずかしい手紙、書かなくてよかった。。。
検査の結果は「多分良性」とのこと。
乳腺外科の先生にマンモグラフィーの画像と超音波でみてもらいました。
「おそらく水、」ですって。径2、8センチ。
フランクな先生で「どうします?抜きます?」と軽く聞かれ、おどおどしてしまった。
「い、痛いんですよね?」
「そりゃあね。針で刺して抜くんだから」
「…」
「別にやらなくてもいいけど。でも気になるでしょ、この大きさ。抜いちゃったら?」
… 今この場で決断??時間はどれくらいかかるのか、跡は残らないのか、後遺症の危険とかないのか、ぅう、知らないっていうのは怖いですね。色々とぐるぐる想像して、、、
しかし。ここまで来たのだ!女がすたる!
「せっかく来たし、…やります!」とお返事した。
先生は軽く「ハイハイ、オッケー」みたいな感じで看護婦さんたちに「やるよー」みたいに合図した。
私は超音波の検査の状態のまま待機、つまりベットに仰向けで俎板の上の鯉状態。カチャカチャとやっている人に再びきいてみる「い、痛いんですよね」つまり、時間はどれくらいで、跡は残らなくて、後遺症の危険とかはないですよね?ってことだ。看護婦さんたちは3人、黙っている。先生は軽く「そうだね、歯医者で麻酔うつでしょ、あんな感じかなー」
「…」それって痛いよな…
「あ、それって痛いよねー、はは^_^、そりゃ痛いよ、注射するんだから」
もしかしてこの先生、フランクなんじゃなくて、チャラい?
しかし、ど緊張していて鯉のまま。呼吸も止まりがち。
「チカ!」と言いつつ先生は針を刺した。
看護婦さんたちは皆黙っている。。。しかし水までうまく到達できないようでぐりぐりする。看護婦さんたちも専門用語交えつつ相談している。うう、いてーよ。どうにも「アレ、おかしいなー」という雰囲気のまま、「一旦抜きまーす」と言われ針を抜かれた。おい、一発でやってくれよ。
また刺した。
仕方ないから黙ってるし、緊張して呼吸も止まりがち。先生「もしかして痛い?」私「痛いですよ!」もしかしてじゃねーよ。
あ、そのまま、抜いて抜いて …
看護婦さんたちが連携して無事に水(リンパ液?)が抜かれた。
はい、触って。もうしこりないでしょ、よかったねー。と終了。
水はまた溜まることはあるかもしれないけど、しこりができない限りは定期健診で大丈夫でしょうとのこと。とりあえず半年後にも見ましょうかー?的な。
うう、あっけない。
内出血で緑色になるかもしれないけど暫くしたら消えるから安心してくださいとのこと。
「薬とか飲まなくていいんですか?」
「は、なんの?」
「あ、そうか」乳がんじゃなかった。。。
そこで初めて安心した。
違和感のない胸に超絶リラックス。柔らか。
一応抜いた液を検査して改めて良性だったと審判される。この流れで悪性の結果が出たらびびる、そりゃないやろー。
会計を待つ間もふわふわとした。異物が消えたから??
ヒトっていうのは本当に奇跡的に単純かつ複雑に出来ているのだな。健康な身体は美しい。ただ生きて活動しているだけで美しい。
☆
以前に「もしがんになるんだったら何がんがいい?」みたいな話を職場の人たちとした。…
…大腸がんは人口肛門でストーマだね。近頃のだったらいいかもしれない。
肺がんは苦しそうだね単純に。
肝臓がんは沈黙するから早期発見は難しいよね。
胃がんは食べれなくなる、舌癌はマイナーだけどしんどいかも。こう頭がんは穴が空くんでしょ、ホラーでカッコイイかも。皮膚ガンって場所によったらうまくやれるかも。
乳がんはなー、再発するかもしれないから怖いよねー。ということだった。
軽い胃がんだったらまぁいいかも、、、と結論した。
ガンにならないのが一番よい。
しかしこのたび私は覚悟した。オッパイを全摘したら女性ではないものになる。第二の性だ。
LGBTの方たちと同じように、実際の性と精神的な性が乖離するだろうと思った。
マイノリティーになると思った。
交際とか、パートナー探しとか、やはり性は重要なフャクタだ。単なる友人、親密な友人、パートナー、そこには性の隔たりがあり距離感がある。自分の性を意識するのは、何があっても何がなくても、とても重要なフャクタであることは間違いない。でも本来は恋愛も友人関係も立派な差別化作業で。マイノリティーに属することは怖くないはずなのだけど。
乳がん、恐るべし
☆
このたびの記念に本を読むことにする。冷や汗をかいて、病院に行き、緊張しながら診察を受けた。多分今読むのにぴったりのドキュメンタリー。
内澤旬子『身体のいいなり』朝日新聞出版、2013年。
感動的な闘病日記や、愛にあふれた実録ではない類の、淡々と生きる女性のエッセイ。
『世界屠畜紀行』の作者が乳がんになった際の実録です。
闘病日記って(死んでしまう)でしょう?実際にバタバタと生きていく人の話をききたい。