桃太郎のオブジェが目を惹きました。
岡山の観光土産物屋にも桃太郎はいるけれど、私的には桃太郎より「鬼」が好きです。
正義の味方より悪役に個性を感じ惹かれるように。「鬼」は「鬼」なりの理由がある。
幸せで強い主役より、理不尽に責められる脇役の不幸が気になる。
「鬼」は色々な民話に出てくるけれど。フィクションにしてもノンフィクションにしても、民話の生まれる未然の日常の中で「少し変わった人」をモデルにしている筈だ。少数派の醜い異人たちが、物語の中で「鬼」に変容したのだろう。
外国人や障がい者だったのかもしれない。または特殊な能力があった人なのかもしれない。あるいは単なる嫌われ者だったのかもしれない。
児童文学「泣いた赤鬼」というのがある。
心優しい鬼たちだっているだろう。
この物語に感動する人や、忘れずにずっといる人も多いと思う。
赤鬼のために青鬼が自ら進んで嫌な役割を負ったように。「鬼」役の犠牲の上に、桃太郎たちの幸福はあるのだろう。
鬼のオブジェを見かける度に、怖そうな顔であればあるほど、虐められてる子供を連想する。
鬼にも心があるのだよ、鬼だって泣くよ、と言いたい。