「その女アレックス」ピエール・ルメートル、訳橘明美。文藝春秋、2014年。
2011年にフランスで発表された犯罪小説で、イギリスの英国推理作家協会の賞を受賞している。
おもしろかった。サスペンス。
色々と「驚愕のラスト」とか「壮絶な秘密」とか「大どんでん返し」みたいな触れ込みのある作品だったけれど、それを半ば折り込んで読むのだけど、やっぱりおもしろかった。
アレックスに関して悲惨な過去がある訳だから、読者だって半ば想像はして読むのだけど、おもしろいという感想は不謹慎なのかもしれないけど、やっぱりおもしろかった。
うーむ。エンターテイメントです。
絵として綺麗なんですよね。
場面が。語弊はあると思うのだけど。
悲惨さが絵になる、というか。
ああ、そんな風な孤独な夜か、、、と、ついうっとりとしてしまう。
絶望なのか達成感なのか、ボロボロになる具合が、あまりに常軌を逸しているのでどんどんと読み進む。
アレックスはどんどんと進む。傷つきながら、やるべき事をなしながらどんどんと進む。
その進む姿というのも、絵として美しいのだと思う。
登場する刑事たちが非常によろしい。小男、大男、金持ち、倹約家、の4人組である。
滑稽なのにクール。
カッコイイ刑事たちではなくて、クセモノ揃いでデキル奴等みたいなのがいい。
人情物語ではないのに、変に踏み込んでいて、変に感動的だ。
沢山の彼らの描写がある訳ではないのに何故だか納得してしまう個性、関係性。
クールです、とっても^_^
アレックスにまつわる事件と、刑事たちの解決方法が上手い具合にミックスされて、なかなかに映画的。
妙にフランスっぽくも感じました。
映画化されたとしても、フランスの暗い路地でなければ絵にならない気がします。
推理小説という意味で読むより、刑事小説として読む方がいいかな。
巧みな仕掛けはあるけれど、謎解きはオマケみたいなものです、、、
推理小説って幅が広い。
確かにビックリする。
「私が本当にビックリしたのは、、、」とついつい言いたくなるのは、「最後のページのアソコが、、、、」と言いたくなるのは、やっぱりこの作品の原動力で、最高にクールな魅力であると思う。
読書が好きな人には、是非、手にとってもらいたい作品です^_^
トウガラシ収穫しました。可愛い^_^