山口のワイカムでアピチャッポン特集を組んでいたので思わず参加。
タイの映画監督です。
タイの映画って雑なイメージがあるけど、この監督は違う!シュールでアートでユーモアがあって、しかも感覚的。
感覚的な監督さん、大好き^_^
今日は二本立てしました。
11時から。
「世紀の光」2006年。
13時20分から。
「光りの墓」2015年。
結論から言えば、最新作の「光りの墓」より「世紀の光」の方が断然に私の好みだった、、、!
私はこの夏に晴れて40代に突入した。二度目の成人なわけです。
何というか40代って半端なんです。
若手でもないベテランでもない。
ある人にとっては「まだまだ若く」、ある人にとっては「すでにベテラン」
この半端な感じはなってみないとわからないだろうなー。ある人は子供に孫ができてもいい頃合いだし、ある人はまだ処女だったりする。ある人は仕事で重要なポジションにいて、ある人はまだバイトのような事をしていたりする。ある人は別れる決断をし、ある人は誰かと共に生きる決断をする。ある人はたくさんの人を見送り、ある人は未だ誰とも出会っていない。ある人は自分を知り、ある人は自分を知らず。ある人はすでに引退し余生を送り、ある人は未だに大器は晩成せず。
最近は、ピエール・ルメートルにハマっているのだけど。
このフランスのミステリ作家は「その女アレックス」で日本でブレイクしたのだけど、デビュー作「悲しみのイレーヌ」は彼が55歳の時の作品。「死のドレスを花婿に」という作品も凄かった。読み始めたら止まらない。ザワザワとして気持ち悪い。何が起こるかわからない。物語自体を破壊してしまうような、ありえない衝動が、作品それ自体にまとわりついている。とにかく読み始めたら読み終えなければ落ちつかないのだ。
今読んでいる「天国でまた会おう」という作品は、ミステリですらない。どうなるんだ。どうなってしまうんだ。読み終えたくてウズウズする。
、、、、はっ!
話が逸れてしまったけど、彼は2016年現在65歳だ。それが言いたかった。
熟成や完成は人それぞれ。
熟成はさらに進み、、、、
日々新しい細胞に生まれ変わっていく、、、、
ルメートルは私にとってヌーベルバーグだった。瑞々しく、斬新で、画期的だった。
同じように、アピチャッポンも私にとってヌーベルバーグだった、一本めは。
最新作では眠ってしまった。おかしい。一本めはドキドキしたのに。。。
名作映画でも途中で眠ってしまう事はあるので、これもその一つなのかもしれない。
最初にゴダールの映画を見たときはどうであったか??
ウォン・カーウァイやジム・ジャームッシュやスティーブ・ブシェミやジョン・ルーリーやトム・ウェイツやタランティーノや永瀬正敏は今頃どうしているのか。元気だろうか。
出会いというのはタイミングが大事だ。
同時代に出会って、共に歳を重ねるのも大事だけれど、何より自分の状態が大事なのだと思う。
今日、「世紀の光」を面白くみれたけれど、10年後は面白くないかもしれない。
「恋する惑星」の世界なんかこの世にもう存在しないのに、またみたいのである。
トリュフォーをみていなかったら、
コーエン兄弟がいなかったら、
私は私でなかったかもしれないし、やはり私だったかもしれない。
その時代にその作品を鑑賞したことによって、何ミリかづつズレている気がする。
夢中になることで自分が刷新されていく。
そして思い返すことによって揺り戻されて記憶は曖昧になっていく。
思い返せば返すほど、記憶は自分に沁み通る。
だからデジャブのような作品が好き。
昔みた夢のような、未来にみる夢のような作品が好き。夢中になれる作品が好き。
要するに、出会った時にどう感じるかである。
素晴らしい作品でも、自分の準備が整っていなければ何にも触れられないということだ