彼女の名は、佳緒里。

 彼女は結婚した。


 そんなことが起こるとは、という感じです。

 

 「私は男の人がいなきゃダメなの。ダメ人間な自分を全部出せる男の人。友達とかに外でいい顔してても、本当は結構ダメなの」と言ってる割に、私に対しては全然ダメじゃないので、実感としてわからない。

 ちなみに女子寮だったので、彼女が何時に寝るかとか、とってる科目とか、レポートの対策とか、わかってしまう。ゼミも同じだったので、もちろんゼミ合宿も同じだ。卒論だって、まだ持っている。獅子座流星群も徹夜で見にいった。コンパもしたような…?頻繁に彼女の部屋のベッドで私は寝ていた。迷惑だったろうな…。

 確かに、へなちょこな性格だったかも。

 間違いなく、追い込み型で、要領はよい。ハッキリものを言う。でも敏感な部分もあり、欲望に対しては正直である。調子が悪い時に、がんばったりは決してしない。

 彼女がダメ人間なら私もダメ人間だが、さらにもっとダメなところを男の人に見せてるのだろう、と私は勝手に思っている。気配として。

 なぜなら彼女はもてるから。

 数えられないくらい、思い出せないくらい(私の知る範囲で)男の人とつきあっている気がする。会ったことない人もいるし。

 それだけ魅力があるのです。実際問題。今これを読んでるあなたが男なら、会って、話をしてみたらいいと思う。

 自然体で美しい人なので、目立ちませんが、美しいです。

 それでなんか強い。優しいのに。ユーモアもすごいある。気遣いもすごくできる。


 彼女が結婚する、というのは、友人の間では結構なニュース!でした。

 信じられないというのが本当のところ。結婚式に出ても、イマイチ信じてないですもんね!

 なんとなく、私たちの席は新郎に同情してました。切ないっていうか…

 なんでこんなに切ないんだろう?、


 いい女です。彼女の名前はかおり。


 なんでこんなにも旦那さんに同情するのだろう。