「ムッシュカステラの恋」をみた。

f:id:sprighascome:20130506234103j:plain

 フランス映画。

 ハゲでヒゲで善良な、中年の中小企業の社長が恋をする話。ラブストーリーではなく、人間群像物語。


 人間群像物語です。

 私は映画をみて久しぶりに泣きました。良かったです。

 ハゲでヒゲの社長がカッコ良く見えてくるから不思議です。

 好きなシーン。自分の部下に謝るところとか。もしも自分ならそんな言い方ができるだろうか。思うことを正しいタイミングで適切な言葉で相手に伝えることができるだろうか。


 どうしようもないこともある。

 でもどうにかしようと努力する。

 異質なものを排斥するのは習慣なのだと思う。無知であることをバカにし、軽蔑するのは反射神経なのだと思う。(子どもたちばかりではない、大人たちはイジメてばかりだ)しかし相手からすれば、知らないことは恥なのか?ブラックユーモアだかなんだか知らないが、社長をからかう芸術家たちが胸くそ悪かった。

 彼らの仲間の個展にでかけ、わからないながらも一つ一つ鑑賞し、全部みた中から一番好きだった絵を社長は買う。議論もしない。気にいった絵を買う、このシーンも私は好きだった。


 とにかく恋は実らない。でも恋したことで彼は魅力的になった。硬く凝り固まるよりも、柔らかく明るく素直に。こちらまで心がほぐれるようでした。