小説でも漫画でも先に原作を読んでいてその作品に感動してたりすると、映画化されていて、たとえ評判が良かったとしてもイマイチ踏み込めないところが私にはある。原作は私の想像力で脳内に完成型が出来上がっているので、映画化してそれを超えることはまずない。


 そんな理由でみていなかった「八日目の蝉」

  日本アカデミー賞もとっているし、みた人は是非にと勧めるけど、角田光代の本を先に読んでしまったからなぁ…、と保留にしてあった。

  今日は警報が出たので早々と帰ってきてたまたまテレビつけてたらやってたので、ついみてしまった。一分で映画に入れる。永作博美がものすごい。どういう結末になるかわかっていても、みてしまう。あの子役の子もかわいいし、井上真央ちゃんもかわいいけど、彼女の張りつめ方がものすごい。原作と違うところは勿論あるし、原作と映画は別の作品だと思った方がよいのかもしれない。ただ、永作博美は本物のような気がした。

  リアリティ追求とか美しさ追求ではなくて、彼女自身がもしも「きわこ」だったらと気持ちを追求したのだろうなぁと思った。永作博美渾身の「きわこ」がありました。最後のフェリー乗り場の、「よろしくお願いします」と頭を下げるセリフは、セリフではない気がしました。本物のことばのように感じました。


 まっすぐに伸びた茎に白い花が咲いたよう。


  別物だけど本物。