正しい夏の流され方。

  蕎麦屋でざるを注文する。

  ここの蕎麦屋は美味しいので昼時は混雑する。合席が当たり前だ。すぐに出てくるし、客も長居はしない。滞在時間は約15分。隣りのおじさんも、音を威勢良くたてて蕎麦をすすりあげる。美味しい。食べ終わった後の、どろりとした蕎麦湯がまた良いのだ。子供時代にはわからなかった味覚である。蕎麦も良いが蕎麦湯も良い。


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  ふらりと瑠璃光寺の五重塔をみにいく。

  春夏秋冬、瑠璃光寺五重塔は夏がいちばん似合うと思う。青空、山、百日紅の花。おぉ、美しい。


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  五分も待たずに汗が出る。一分で充分だ暑い。暑い。

  池があり、ハス、睡蓮が咲いている。小さくて水色の、綺麗なトンボがいる。大きなオタマジャクシがいる。お参りをする。ムニャムニャと唱える。茶屋があり「冷やしあめ」を売っていたので注文してみる。夢のように美味しい飲みものだときいた。(私、飲んだことないのです。初体験)ハテサテ。どんな飲み物が登場するのだろう。

  茶屋は影をつくっているけれども、屋外。涼しいわけなんかないのだけれど、すーーー、っと良い風がふいた。池の亀も暑いだろう、甲羅を脱ぎ捨てたい程に。すぐに「冷やしあめ」は登場した。あー、美味しい。生姜がきいて独特の甘み。あとに残らない甘みだ。うっとりとしてしまう。遠くに五重塔をみながら、風を感じながらいただく。極楽だ。極楽。


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  隣りに座ったおじさん(別人)も、冷やしあめを注文した。

  勢いよくすすりあげる。

  ちょっとちょっと。レモンスカッシュじゃないんだから。


  ゆっくり塔を眺めたらいいのに