残像(では、ないのだけれど)

  私はUFOを見たことが二回ある。

  未確認飛行物体。


  一度は、夕方バスに乗っている時。

  遠くに見える飛行機ほどの大きさのものが、住宅街の屋根のすぐ上を、すーーーっと横に水平方向に流れた。飛行機にしちゃ速い。流れ星にしては時間が早いし、消えないし、角度がオカシイ。まさにアメリカなんかで素人が投稿するようなUFOの動きだ。アレっと思ったけれど、バスの乗客は騒がず。ぼーっと窓の外を眺めている人って、そもそも少ないし。アレっと思った後、オッと思って身を乗りだしたけど、建物の影に隠れ、出て来るハズの方向にはもう現れなかった。やっぱり飛行機じゃない。バスは何事もなく進む。

  

  二度目は、夕方に川べりのサイクリングロードでジョギングしている時。

  流れ星かと思ったらだんだん大きくなって、シュンと消えた。驚くほどには大きくならない。それを見て私は、隕石が落ちて来たけど大気圏で燃え尽きたのだな、と推測した。本当のところはわからない。自分に向かって「落ちてくる」感じが、妙にあったのでそう信じられる。ドキドキして怖かったです。(ディープインパクトにならなくて良かった!)


  一生懸命話すと、「見間違いなんじゃない?」とすかされる。

  面白そうに話すと、マニアの作り話として流される。

  実はね…と打ち明け話のように話すと、相手は困っている様子「ところでさ、…」と話題を変えられる。

  どちらにしても、話の内容よりも私の人格を疑われるので、気を付けたい話題だ。自分からすすんでするような話題ではないですね^_^


  私の人格を熟知している友人などは、信じてくれているのかもしれないけど、「だからどーした」という態度「それで?」と話をうながす。「それだけ」と私は答える。「消えちゃったの」


  さらわれて人体実験された話を期待しているのだろうか。

  

  遠くのUFOは、遠くにあがる花火と同じ。

  私には隔たりがある。

  金魚鉢の中の金魚のように。スノードームの中の人形のように。無音で、触ることのできない別世界の映像だ。


  探していたわけでもなく、待っていたわけでもなく、ふと見たら現れて消えてしまう。自分としても、確かに見たんだけどなぁー……、という意識だけが残る。

  

  どうもやっぱり。

  線香花火をみるのに似ている^_^