待っている、金曜日。

  茶花の世界では、私にはよくわからないのだけど、枯れた紫陽花を活けたりもするらしい


  紫陽花のハイシーズンは勿論、梅雨、6月だと思う。

  でも「化石のようになった紫陽花」も「紅葉した紫陽花」もどこかで見た気がする。品種改良も盛んにされていて、ハイドランジアという呼び名もある。


  茶花は大抵蕾が好まれる。

  客のために玄関や床の間に花をいける。花が開き、散る風情も、侘び寂びというか、難しいことはよくわからないが、一連なのだ。


  秋の花は、紅葉しているといえば聞こえはいいが、要は枯れているのだ。

  実をつけるために葉を落とし枯れている。

  バラの花の季節も、春と秋の二シーズンあるが、ローズヒップは秋だけ。同じ木でも、春と秋だと香りが違うものがあると言う。でも、そうだろうなと思う。侮るなかれ。


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  枯れた紫陽花。


  先週、山道の途中で見つけた。


  雨風をしっかりと受けたこれらの紫陽花は、それなりに美しいと思った。枯れているけれど。


  自然の中にあるから


  これを器に活けるのは、なかなか難しい。6月の、蕾の紫陽花よりも、何十倍も。イキイキとしたものを活けるのは容易いけれど、これは化石。オブジェ。形を残した、色の抜けた紫陽花のゆくえ。あとかた。

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  秋といったら菊なのだけど。

  定型の季節を超越するような、秋の花