スイッチオン

  
  自分の何処かに「俯瞰スイッチ」があって。

  肌ざわりや匂いや味や空気をただ感じて楽しめばよいのに、ぐぅーーーーんと高度があがって鳥瞰図になってしまうことがある。
  上から眺めて把握する。
  冷静になってはいけないのに、冷静になってしまう。

  愉しむというのはつまり、感覚の遊びのことで、バカになることなのだ。今だけ、ココだけ、愉しめたら、それでいいのだ。地を這うような、積み重ねのような、確実な喜び。近視眼的な、個人的な、絶対的な喜び。
  
  「あ、俯瞰スイッチ入りそう」と自分で気づく時もある。せっかく夢中になっていたのに、はっと、我にかえる。冷静さが襲ってくる。
  
  時に鳥のように。
  遠くまで見晴るかすのは、それはそれで気持ちのよいことだろう。
  俯瞰スイッチ、オン!オン!オン!オン!
  飛びたい時には飛べばよい。
  逃げたい時には逃げればよい。
  
  (望めばいつでも)戻ってこれるのだから



  俗という言葉は、谷にいる人を指す。低きに集まる。
  反対に、仙人は山にいる人。高みにいて、孤高。
  
  山にいる時には、谷にいる人をバカだなぁと思う。
  谷にいる時には、山にいる人をイクジナシと思う。
  そういうものだ。

  一番ツマラナイのはバカになりきれず、イクジナシであり続けること。

  一番望ましいのは、低い処も高い処も行ったり来たりできること。バカになれない人は、とりすましたまま、高い処にも行けないのだ。そんな気がする。

  言ってみれば、勇気なのかも。
  脚力、体力、飛翔力、気力、持久力、行動力。
  無理しないで自分らしくあること、時にはそれも必要、(努力と正反対のベクトル)、開き直りに近い、踏ん張る力。
  

  「俯瞰スイッチ」をコントロールするのは、そういう「力」に見せかけた「知性」なのかなと思う。
  切り替え方とか。ユーモアとか。人柄とか。
  無謀……、、、、。そりゃそうさ。危険はあるさ、傷つくことも。

  敏感だから弱い、ということもない。感じやすく、優しく、そして強いのが望ましい。
  強いことはよいこと。

  強くなければ生きていけない。
  
  
  体当たりしてみればいいと思う。バカになって。
  元気なうちにね
  
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