私はずっとマンション暮らしだったので、「庭」というものに憧れていた。
友達の父親が、人はまず(ヒトも含め)動物に興味を持ち、次に植物、最後に石に興味を持つものだと話していて。
私はなるほどなぁ〜と思ったものだ。
それで勝手に「庭」に憧れた^_^
手近に「庭」がなかったから。
「庭」はデザインするものかもしれない。
お寺や美術館に行くとまず庭が気になる^_^
公園のような庭より、つくり込んだ庭が好きだ。
でも私が憧れる「庭」は、家やそばの道も含め、呼吸するような「庭」ちょっと野蛮な雰囲気が残るような、
音楽が聞こえてくるような
小鳥が飛んできて
植物が季節ごとに隆盛を誇り
苔むして
石は雨に洗われるような
雪がふればシンとして無音
(さぁぁぁー、と粉雪が枝の間から落ちるのもいい)
ハーブや野菜を育ててもいい。
なんというか、格式ばったものではなく、自然や四季がダイナミックな「庭」に憧れていた^_^
実は、今、その長年憧れの「庭」がある。
実際にあると、理想には追いつかない。
苔むしてないし、いわゆる「石」も配していない。小鳥は飛んでくるけれど
花を植えるにしても
私はまめに庭の手入れをする訳ではないので、弱い種は絶える。
植えてもいない桜やコスモスがすごいことになるのだけれど、去年の夏に植えた冬咲きクレマチスは絶えた。
残念なことではあるが、よくあることだ。
ペチュニアは可愛いので増えるままにしている。
その他、名前がわからないけど咲く花もある。
五月になるとシンボルツリーのようにモッコウバラが咲く。黄色が一般的だが、うちのは白で皆に羨ましがられる。羨んだ人たちが、挿し木にするべく、若い枝を手折っていく。シンボルツリーのように堂々としているが、親木が枯れてもいいように本来私も挿し木をして予備の株をつくった方が良いのだろう(だけど何故だかそうする気になれない)どこかで枯れてなくなってもよいと思っている。
夏には芙蓉が咲く。ムクゲが暑い盛りに咲く。白鳥草。
秋になると秋明菊。ワレモコウ。孔雀草、菊。ノボタン。
つわぶき。マーガレットコスモス。
イロハモミジもシンボルツリーになってほしいと植えているけれど、まだまだ細い。
一本ある椿の色は、白。
うちの庭は、花壇らしくはないけれど、花は順繰り咲いてくれる。
庭があれば、是非植えたいと思っていたのがクリスマスローズ。この花↑
寒さに強く、花は下向きに咲く。奥ゆかしい。
キンポウゲの仲間。
花色は地味。白、黒(ワインレッド)、グリーン、黄色。この写真のような薄いピンクは珍しい^_^
スポット入り(花びらに点々を散らしたもの)、八重咲き、縁取り付き、、、そういう変わり咲きもある。
……なんで庭があるのに、是非植えたいと思っていた花を植えないのか?
ちょっとお値段が高いから。三桁の苗だとすぐに花は望めない、何年か待たねばならない。
花付き苗を買っても、土や肥料、日当たり、虫による交配によって、花色が変わることがある。大株のものは何千円もする。
なかなか切り花は花屋に出回らないので、露地物をいける楽しみはある。
そんな贅沢な花なのだ。
そうして、薄いピンクのクリスマスローズが偶然にも手に入り、ウキウキでいける。
はぁ〜、とため息。
私にとって、憧れの「庭」を象徴するような花だ。
もう少し時間とお金に余裕ができたら、私が気に入るようなクリスマスローズの株を探しにいこう
憧れていた庭じゃないか。