「ノーカントリー」をみた。

  原題「NO COUNTRY for OLD MEN」
  ジョエル&イーサン・コーエン監督。
  アカデミー賞4部門とりました^_^

  真夜中にみるのがオススメ。
  
  ざっくりと説明すると、テキサスの田舎町の保安官が理解できない犯罪に無力感を感じる話。カウボーイハットをかぶる男が金を持って逃げる。追うメキシコ人、追う殺人鬼、追う保安官。ジャンルでいうとホラー・コメディ(ホラー・コメディというジャンル、あまりないですよね^_^あはは)

  理解できない殺人鬼アントン・シガー役、ハビエル・バルデムは助演男優賞を受賞した……といって、は・た・し・て…(助演)なのだろうか。
  物語の冒頭に登場し、彼が去ることで物語は終わる、、、
  …殆ど主役級!の扱いを受けております。あはは^_^。実際、この作品の主演はトミー・リー・ジョーンズジョシュ・ブローリンではなく、田舎町「テキサス」なのだと思う。
  どこから連れてきたんだ!?と快哉をあげたくなるような、田舎町のおじさんおばさんが沢山出てくる。現地調達したのだろうか。そのシャツ、その髪型、その髭。カウボーイハットとカウボーイのブーツ。埃っぽいランドスケープ!陽射し、風、馬、地平線、真っ直ぐな道路。

  テキサスです、これがテキサス
  (行ったことないけど、西部劇でお馴染みのテキサス、ザ・テキサス!)
  ベージュの制服を着た保安官が、カウボーイハットかぶって星型の警官バッジを付けて馬に乗ってまーす!
  喝采!!

  ハビエル・バルデムは、コーエン兄弟に愛されている感じがした。
  その佇まい…恐るべし。
  ザ・テキサスの中で、所謂〈異物〉を演じていたのだけど。彼なりの行動規範があって、登場人物には全く理解されないのだけど、そこらへんが何故か物悲しい。ふ、と風の音を聴いてたりするんです。
  …イヤ、全く同情はしないのですけど。
  カーテンの間からそよぐ風とか。バックミラーにうつる少年たちとか。ガラスにうつる自分の姿とか。ふ、とした間を与えている。その長閑さ。その呼吸。
  〈異物〉馴染まない感じ、、、それは映画をみる誰でも少しは感じたことのあるデジャヴ。

  青白い顔のハビエル・バルデムが幽霊でも化け物でもなくなる瞬間が、ほんの何秒間か、ある。

  そこらへんが妙、、、。

  

  〈妙〉というのは褒め言葉です^_^

  コーエン節、効いてます。


  おじさんたちの殺し合いムービーなワケですけど。

  良い出来です。


  (ガイ・リッチーの「snatch」は‘チャンバラ’だった)

  「ノーカントリー」は‘スリラー’だ。

  恐怖から、爽快感リズム感を抽出するのではなく、恍惚感を抽出する。

  息遣い、、、、


  ハビエル・バルデムのイラつき。ゾクゾクします^_^


  靴の先っぽがとんがっていて、汚れていないかいちいちチェックするのも。ソファに深々と座っているのも。光の中にいる姿も。

  いいですなー。ヨダレが出ます^_^

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  ペネロペさんの旦那様ですな。

  「夜になるまえに」で亡命するホモの詩人でエイズで死ぬ役を演じていた。キワいですな。

  いいですなー