サラリーマン川柳ではなくて、なんとなく若い感性の短歌が読みたくなった
『短歌ください』穂村弘、メディアファクトリー、2011年。をパラパラとめくる
好きだったやつ、列挙。
☆無人駅ばかりが目立つ男鹿線に少し大きな車掌がいます
(はれやわたる・男・27歳)
同じ人でもう一首
カーナビが「目的地です」というたびに僕らは笑った涙が出るほど コレも好き^_^
☆きみの目は遠くをみてる小さくて鮮やかな色美しい飴
(シラソ・女・23歳)
「飴」ってー!いいなぁ美しいね^_^
☆スカートのポルカドットは空に溶け私はわたしの恋人になる
(eh・女・18歳)
思わず少女のようにスカートをはきたくなる^_^
☆風鈴にまぎれて微かさよならねってそんなふうに ような気がした
(伊藤真也・男・34歳)
「ような気がした」ってー!切なぁ、、、
☆いくつものもしもが転がる渋谷には長居はしない立ち止まれない
(イマイ・女・31歳)
…すごく渋谷っぽい
☆テスト前何だか気持ちが昂ぶって頭の中がリオデジャネイロ
(赤井りんご・女・20歳)
…すごくリオデジャネイロっぽい
☆ボリュームをゼロに落としたラジオから一番好きな歌が聴こえた
(わだたかし・男)
☆はなうたでここだけいつも歌ってたあなたの見ていた世界が見えた
(あんぶ・女・25歳)
↑先の歌のアンサーソングみたいでニッとなった^_^
☆たくさんの遺影で出来ている青い青い青い空を見上げる
(木下侑介・男・24歳)
同じ人でもう一首
ものすごい音がしたからみんなしてただのびっくりした人になる
あーびっくりした^_^
☆「罪」という鞄を持ったたくさんの男の人が揺れている朝
(小林晶・女・27歳)
☆死にました。当分君に会えません そう思いこむ生きてゆくため
(甲本夏子・女・20歳)
☆目を閉じた人から順に夏になる光の中で君に出会った
(木下侑介・男・24歳)
多分、私は木下さんのファンだ^_^ダメ押しでもう一首
目を閉じるたびに光が死ぬことや目を開けるたび闇が死ぬこと
気持ちいいほど反転してるね^_^
あの夏と僕と貴方は並んでた一直線に永遠みたいに
気持ちいいほど一直線だー!
もともと私は短歌よりも俳句が好きなのです。ストーリーよりも、情景や感覚が鮮やかなものをつい選んでしまう。
短歌もこんなにカラフルなんだ、と驚きました^_^
破綻した論理がイイ、生きるために死にました。と言ってみるとか。
別れを予感させるような出会いとか、消えてしまいそうな幸福とか、無音の音楽とか、色の可能性とか。目を閉じてるのに光の中で出会っちゃったとか。
怖いから手を離してみる勇気とか遊びゴコロとか…、私だけでなく皆持ってるんだなーと薄〜く連帯感。
ひや〜とする快感。
背中を伸ばす気持ち良さ そら 嘘みたい
(あき・女・37歳)
※後ろにもう一匹います