ウォン・カーウァイプロデュース
エリック・コット監督
金城&新人女優の初恋中の前編と、カレン&監督の初恋後の後編の二部構成映画。
前編。
金城武が夢遊病の女の子に付いて歩く話。彼女は夜の徘徊で自分が何をしているのか気になるので首からビデオを下げて眠ることにした。そこにいつも映っている金城武が気になって、今度は不眠症になった。不眠症になったので夢遊病のフリをして金城武とデートする^_^荒唐無稽でもいい、仔犬のような金城武がクシャッと笑えばそれでいい。こういう役はもう金城武役の金城武だ。ていうか多分、金城武が大好きなんだな私は。金城武がいればそれでいい。
後編。
終わった恋の物語。婚約したけど男が逃げた!…カレンは写真屋、監督は八百屋をしていて、破局10年後に再会する話。八百屋は写真屋が復讐にやってくるのではないかと怯えている。
…やっぱりねぇ、終わった初恋の方が興味ある。始まるのは自然に任せていれば良いけど、終わらせるには技も力もセンスもいる。後悔や思い出やタイミングや、、、自分の気持ちもそうだけど、相手の気持ちも。
この監督さん、本業はDJでラッパー。テンポも選曲もいい。悪ふざけもある。映画的に点数をつけたら低いのかもしれない。そもそもカーウァイテイストなのだ。カーウァイを好きな人がこの作品を選ぶだろうし、監督自身もカーウァイのファンなのだと思う。別にだからどうだって事じゃないんだけど。
ラスト。
コントロールできるものとコントロールできないものがある。かえってくるものとかえってこないものがある。涙が出たらそれはそれだ、
…というような事を監督が泣きながら広東語で喋ってた
「初恋」っていうのはまさにそれだ。だから映画を撮るんだ。涙が出るんだ。映画ってそういうものなんだ。
…というようなことを監督が泣きながら広東語で喋ってるのがアップになって、…終わった。
私はこの終わり方にびっくりしてしまったのだけど、もしも私が映画監督をやる機会があれば、やりかねない。(やりませんよ!勿論。映画愛に溢れて号泣することはあるだろうという意味)
だから勿論、映画っていうのは、本当の映画好きにとっては、女性(男性)の数だけ映画があっていちいち1番を決めたり点数をつけたりできないのだろうなぁ、と思うのです。
よく訊かれる(1番好きな映画は?)(ベスト5は?)(1番好きな監督は?)(1番好きな俳優は?)希代のプレイボーイとなって答える、みーんな可愛いみーんな1番。
この悪趣味でカーウァイもどきの作品は、初恋に真面目に対する時の照れ隠しなのだと思う。真っ正面から行ってるから、それはもう観ている方も照れるよね。でも否定できないのだよ。
なんか自分もアジアだなー、と思いました^_^
(でもなんかね。「初恋」というのは「初めての恋」という意味ではないって言ってましたね。…んまー、要するに、恋ってことなんですかねー^_^「初恋」と名付けることに、意味があるのだろう!!!)