カウントダウン。

  またも職場の話で恐縮します。

  私が今いる支所は、5月1日付けで私が異動になるので人員マイナス1。補充ナシ。
  穴、しか残らない。
  
  穴、だけ残る。

  それが申し訳ない、もちろん私の所為でもないけれど。


  最古参の藤本さんは、耳が遠い。けれど聞こえなくたって平気だ。言いたいことをジャンジャン言って、私を振り回してくれた。もー、ついて行かれん。気に入らないことは「気に入らない!」とまくしたてた。すっごく怖い。でも全く悪い人ではない。私には優しい。

  次に年長の阿部さんは、頼もしくてかっこいい。つるんと忘れたりするけど、悪気は無い。芯が強い。自信もあるし、思いやりもある。正直でお人好しで誰からも好かれる。以前私が「あーぁ」と思ってへこたれてた時に、ちょうど欲しかった言葉を、ちょうど欲しかったタイミングで掛けてくれた。私は「はい」と答えることが出来ずに「うん」と答えた。(そういう事がなかったら、多分、私は生きていけない)
  そういう足りない隙間にすっ、と入ってきて、一緒にいてくれる人。

  その次に年長の隣の席の私の上司は、私が失敗するのをいつも見ていた。後ろからすかさずフォローした。守護霊みたいな人だった。…まぁ、私は彼女の手足というか、操り人形だった。積まれた仕事をこなせばよい。やり易いように仕事を積んでくれた。出来が悪いコほど可愛いんだろうね、随分可愛いがってもらった^_^
  ねぇねぇと話しかけてショウモナイ話をした。きっと私が知らない場所で苦労してきた人だと思う。

  歳が近かった伊藤さん。仕事をさばく人だった。迫力で押し切る雰囲気もありつつ、気配りのできる細やかな人だった。明るい。ちょっかいを出した、ちょっかいを出された。

  異動でひと月だけ一緒に働いた人も、随分と打ち解けた。以前は電話だけの関係だったので、どれだけ几帳面で完璧主義な人なのだろうと思っていたけど、実際は体育会系だった。失敗して悲鳴をあげたりするのでビックリする。転んだりぶつけたり、ゲラゲラ笑ったりする。よく食べるし元気だ。「もしかしてオッチョコチョイか?」頭が良い割に、素っ頓狂で面白い(←失礼な言い方かもしれないけど、褒めてます。だって面白いもの^_^)

  皆が「あと5日だね」「もう4日しかないね」「泣いて戻してくださいって言いさん」「明日はアタシ朝おらんからね、ごめんね」「…ひきつぎ…」「あー、もぅ、淋しいなぁ」「これ、おみやげに」「せっかく教え込んだのに」「娘のようじゃったのに」と口々に言う。


  いや、本当、こちらこそありがとうございます^_^

  差し引きゼロではなく、マイナス1だから尚更だと思う。

  いつも居た人がいないって、結構淋しいことだと思う。

  仕事量は変わらずに穴を埋めるわけだから負担も大きくなるしね。


  いつか穴にも慣れるだろうけど、

  この人はいなくなるという予感は現実問題で。

  その「今」は、いちばん淋しいタイミングなのだと思う。

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