「職場の人と合わない」という話はよく聞く。同僚が・上司が・後輩が、話の通じる相手ならどんなに楽か…。
合わない・合わない・合わないというグチばかりが蔓延しているように思う。
中でも、古い宝石を扱う仕事をしている友人のグチは飛び抜けてシュールだ。
商品が「古い宝石」だけに何処か得体がしれない。
16世紀とか18世紀は、まだねぇ、ありそうだけど。紀元前300年の宝石だったりする。紀元前って博物館クラスじゃないか?
ふーむ。古すぎないか?
「宝石」として機能しているのだろうか?いくらなんでも、身に付けようとは思わない。
(どれどれ)と指輪を自分の指にはめてみたり首飾りを胸にあてててみようとは思わない。
宝石は凄い重い想いを纏っているに違いない。欲望が凝り固まったようになって殆ど怨念というか。執着とか愛憎とか虚栄心とか。
(彼女にもらった卓上カレンダー↑1月)
彼女は霊感なんかないらしいけど、開けてはいけない(ような気がする)箱があるらしい。そういう場合はなるべく開けないようにしているとのこと。
去年の話だけど、何処かの国の王子様が商品を見に来たのですって。
王子様…?
それだけでも結構シュールだ。
王子様はダイエットコークが好きらしい、という情報がもたらされ…、
ダイエットペプシではいけないのかとかゼロカロリーでいいのかとか、何処で調達できるのかとか、誰が買いに走るかとか真剣にやりとりされるらしい。シュールだよ!!
彼女の仕事仲間はバラの花束を受け取ったままの姿勢で「あなた、花束って好き?」と問うらしい。
明らかに好きではなさそうに。
「まぁ、」としどろもどろに答えると、虚空を見つめて「私は好きではない」と続く。
「すぐ枯れるでしょう?ペットとか動物も可愛いと思ったことはない、人も。だってすぐ死ぬでしょう?」
バラの花束を抱えて「儚いんだもの」とつぶやく人と、どんな世間話が望めるだろう。モノなんかあげられない。だってすぐ消えてしまうのに。。。
(古い宝石はモノの中でも少しは残るので少しはマシらしい…。すごい理屈だ)
働いてるのかなぁ…?と素朴に疑問です。
例えば花は儚いとつぶやく人に王子様用のダイエットコークを買いに行かせるのだろうか?
すごい状況であります。
(とりあえず友人はおもしろがって働いているのでよろしかろうと思います^_^)
友人の名言
「合う・合わないとかじゃなくて、相手は魔物だよ。怖いよ。客は王子様だし。中には神様みたいに善のオーラを纏う人もいるよ。カオスだよ」
遠くから応援します^_^がんばれー
☆
そんな彼女に「なんかふんわりしたね」と言われた。
旅行中ってどうしても「ふわふわ」になる。
身体中が、景色や音や空気を吸収しようとして全開になっているのだと思う(もちろん寝不足もあります)
山口はそれでなくても低刺激なのだ。
「面白くない」というのではなく「刺激が少ない」ということ。
趣味の良いものばかり、自分の為だけに自分の好みのものを愛でることができる。
刺激というのは「鼻がキク他人」ビックリするような事、新しい楽しそうな事を話題にする人。
悪い言葉を使えば「茫洋としてしまった」のかもしれない。
良いようにとれば「感度が上がっている」のかもしれない。
でもこういう凪の自分も時として大事だ。
都会でガチャガチャとやっていたら、波が読めなくなる。
私の場合、一度自分の感性を殺してしまったので(再生できた)ということだ。
自分を殺してしまうことと、死ぬことは違う。
死ぬことは生きることと相反するもので、
自分を殺してしまうことは生きることを放棄することだ。
死んだように生きている人はゾンビだ。
生きることも死ぬこともできない。
ふわふわとした私も、仕事する時はピッと輪郭を持った私でありたい。
輪郭のスイッチオンとスイッチオフがコントロールできたら傷は少なくてすむなぁ、、、と。
多重人格ならいっそ楽だろうな、なんて考えている。