良書ですー
作者の長田弘さんは詩人です。
はじめは猫嫌いだったという長田さん、あっという間に猫好きになり、猫の本質をとらえ、猫好きの心を鷲掴みです。
挿し絵は長新太さん。
上品でさっぱりとして、生き生きとしたお話です。
(猫を飼った話なので、実話エッセイの類いでしょうが、絵本のような詩のような物語です)
とっても可愛いです。
こんな風に口説かれたら、イチコロでコロリです。
よく文中に(◯◯さんは、猫の言葉が話せるに違いない)とあるが、長田さんこそ猫と話せるに違いない。と、私は思いました^_^
あらすじ。
若い夫婦は、猫が家出しないように庭付きの長屋に引っ越したりして、猫を待ち望みます。それでもちょうどよく仔猫は見つからないので、張り紙をします。〈かわいい仔猫ください。きっとかわいがります〉
そんな風にやってきたちびのチイ。奥さんのエプロンのポケットで居眠りするチイ。チイの恋、チイの出産、チイとの別れ。
その他、いろいろ。
猫のことは、少しでも猫を飼い猫を失った経験のある人でなければわからない、と言い切る。
よその猫と自分の猫は決定的に何かが違う。
猫を飼うことは贅沢なことなのだ。
そうして猫は居なくなってしまう、、、
飼っていた猫どもを、私はそれぞれ思い出し。
確かに猫どもはそれぞれの個性を持っていて、その存在感と喪失感は一律ではない。
次の猫を可愛がるのは、死んだ猫の供養になる、という一節を見つけ…、うんうん、なんかソレわかるような気がする。
…どんな時でも猫はひらりと膝に飛び乗って、信頼しきってその重量をヒトに預けたりするでしょう。それってなんか純真な子供に似ているのです。悪びれず、無力で、信じているもの。
そういう存在を所有するってすごいことです。
猫好きはデレーっとなりながら、くたーっと本を読み切ることになるでしょう。
本にすりすりしているかもしれません。
猫には生き残ってほしいと思うし、束縛したり強制したりしたくないと思う。
車の前に飛び出す猫はいるけれど、鎖で繋いではいけないのです。
☆
昨日は久しぶりに牛夫くんが来てた^_^
全く来ないので、何処かで死んでしまったのだろうと諦めていた。
相変わらずの美猫ぶり♥︎
(写真がないです、すいません)
猫には前頭葉がないのですって。
あの小さな猫の額には、未来の観念はない。
猫はなんとも清潔で正直。
思慮深い瞳である