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「ワイルドバンチ」をみた。

  サム・ペキンパー監督、脚本。
  ウォロン・グリーン脚本。
  エドモンド・オブライエン
  1969年。ディレクターズカット版。

  アメリカ西部劇。
  うっとりです!!
  暴力的過ぎて、いろんなところから苦情が来たであろう作品ですが、私的には文句無しの二重丸作品です^_^

  どんな風に暴力的かというと、例えばリンチシーン。車で公道ひきまわし。パレードのように皆で酒を飲んで女はべらせて、子供たちはボロ雑巾のようになったひきまわしされている人に跨がって遊んだりしてます。無邪気に。
  例えば、橋をダイナマイトで爆破するのでも、馬ごとです。馬ごと爆破されて川に落ちて流されていきます。(馬、怪我しないでしょうか。心配です)
  ライフル、ピストル、マシンガン、ダイナマイト、ナイフ。
  いろんな風に人は血を流し、倒れていきます。

  暴力的ではあるけれど、猟奇的ではないのです。

  例えば、撃たれて屋上から人が落ちる。
  逆光だったり、スローモーションだったり。馬が暴れて倒れる。ドレスがめくれる。砂埃があがる。讃美歌の行進。メキシコ移民やインディアンの装束、訛、スペイン語。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  そして何より主人公(ならず者)がカッコイイオーラ出過ぎです。
  ならず者なのに自分の規律はしっかりとあり、ただの強盗ではありません。
  他のならず者達も、個性が強く、優しく、仲間想い。ガハハハーと皆で笑いあうシーンなんかは胸が熱くなります。
  普段はムッツリしているので尚更笑顔が印象的です。
  
  後半、死の行進と呼ばれる、ロングでただただ四人が歩くだけのシーンがあるのですけど。死を覚悟して歩くシーンですね。死を覚悟した瞬間、仲間同士が顔を見合わせて「ハハ」と笑うんですよね。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  最高の仲間だと思っていた男が死んでいる場所に行き着いて、ふぅ、とため息をつき、彼が腰に指していたピストルを抜き取る。
  言葉もかけず、身体も整えてやらず、形見のように抜き取ったピストルを手に、傍らに腰かける。無言。死んだ状態で再会するなんて。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  登場する女の人も、切ない表情したり、恋しそうにしたり、バッチリである。
  画一的ではあるけれど「いいよね、こういう風な女の人が男の人はいいんだろうけど、別にいいよね、なりたいとは思わないけどいいと思う。好きかもなー」というワイルドバンチぶり。実に、男を引きたてる女ぶりだ。
  男は女を引きたてるものであり、女は男を引きたてるものだ。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  ただただバイオレンスなのではなく、ハラハラドキドキが多く、エンターテイメント性も高い。あっという間に見終わり、その後の余韻も楽しみました。
  「死」を軽々しく扱ってはいけない。「暴力」に対して鈍感ではいけない。
  それはそう。

  最後の方のシーンで、生き残った仲間が、男に声をかける「一緒に行かないか?きっと面白いぜ」
  男は、ニヤリと笑い、馬に跨る。

  ここで描かれるならず者達は、「死」や「暴力」と隣合わせの生き方だけれど、「なんだか面白そうだ」という気配で、そちらの方に向かう。
  そこには仲間がいる。
  新しい仲間でもきっとガハハと笑うだろう。

  うっとりしてはいけないでしょうか?
  


  大学生の頃に初めてみて、今回は2度目。やっぱり好きな映画は好きだ。
  「ガルシアの首」にも、うっとりしたものだ^_^

  サム・ペキンパー監督、カッコよすぎ。
  西部劇はあまりみないのですが、これ以上は無いような気がします。勝手に。
 ( あ、「俺たちに明日はない」もカッコイイですよね)

  映画って、結果、自分がうっとりしたいだけなんじゃないかと思います。
  「はぁ♥︎やられたー!!」と全面降伏したいだけなんじゃないかと思います。
  負けたいんですね。
  自分には追いつけないような、圧倒的な 美学にコテンパンにやられたいのです。