昔からそうだった。
でも、途絶えた時期もあった。
…そしてまた思い出したように絵葉書をくれ始める。近況などが書いてある。
メールのやりとりもする。月が綺麗だよそちらはどーお?とか。
年賀状もくれる。プリント印刷に一言二言。
私は年賀状を書かないことが多い。
好きではないのだ。
思いついたように手紙を書くのが好きなのだ。
大事なことって何だろう。
彼女が私にしたためてくるのは、前向きな言葉ばかり。
離婚裁判が始められるところまでやっとこぎつけたようで、、、三人子育て中のシングルマザー、今年から正社員で働いてるみたいです。
美術館に行ったこととか、バスケを時々やるとか、旅行に行きたいなーとか。
私は彼女とは大学の女子寮で同室だった。スラリとモデルのように背が高くて、さっぱりとして、のんびりとした女の子だった。
何故だか、彼女はものすごく私の事を気に入ってくれて「私は貴方をしっかりと掴んで離さないからそのつもりで」と宣言された^_^そしてその宣言通り。今でも時々連絡がある。
彼女にとって、私は、映画とか音楽とか旅行とか美術館とか、そういうことの象徴なのかもしれない。
朝寝坊したり夜更かししたり遅刻したり失敗したり、それでもマイペースでいることの象徴なのかもしれない。
私も学生の頃やフリーターの頃は、よく思いついて手紙を長々と書いたり、気に入りの絵葉書を出したりしたものだ。
彼女からの絵葉書は、「母親」でもなく「社会人」でもなく、「友達」しかなくって。当たり前だけど。
「1人の女の子」のようだ。
何度も好きな映画を見るように
何度も好きな音楽を聴くように
…そしてやっぱりこの映画いいよね、って誰かに言いたい時に、その相手は私なんだなと感じた。
思い出話はしない。
批評もしない。
ただ「あの映画よかったよ」とか「この作家がマイブーム」とか「感動しちゃった」とか、そういう話題の相手に選んでもらえる事が嬉しい。光栄です。
返事を先程書いてポストに投函した。
香月泰男のドローイングのポストカードで。
貴方ががんばっているから私もがんばれる。
貴方が楽しそうだから私も楽しいことをしようと思う。
またねと約束したら案外と簡単に会えそうな気がする。