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再読「ノルウェイの森」

  「ノルウェイの森」を初めて読んだのは、私が大学二年生か三年生か四年生の時だ。

  覚えていない。内容が全く思い出さない。あらすじもわからない。ただ「こんな女は幻想だ、、、」という感想を持った気がする。

  さらに「恋愛小説」というジャンルがいけない。恋愛が主題のように感じてしまう。恋愛なんて個人個人がするもので読むものでもない。同じ理由で恋愛映画もみない。恋愛を夢みてはいけない。恋愛っぽい雰囲気とかダサすぎる、どうしても浮いてしまう、役になりきれない役者のように落ち込んでしまう、型にハマるのに反発してしまう、途端につまらなくなってしまう。…このように私は恋愛アレルギー体質で、通常は避けている。

 

  このように恋愛アレルギーな私がなぜ「ノルウェイの森」を再読するか?

  単に興味本位。

  村上春樹の短編とエッセイは大好きで、長編も大好きなものも中にはある(長編で読み通せなかったものも中にはある)

  あんなに売れたのだから良いところもあるはずなのだ。登場人物と自分との間に年齢差ができたこともあり、試しに非恋愛小説として読んだらどうかな?と。新たな発見があるかもしれない。

  

  実は「国境の南、太陽の西」を再読したらかなり気に入ったのです^_^

 これだって恋愛小説なのだ↓ 

http://sprighascome.hatenablog.com/entry/2015/05/06/230057

 

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 男性からすれば女性は謎に満ちている。

 女性だって同様に男性は謎だと認識しているはずだ。感覚的な話になるけど、どちらかといえば女性にとって男性は附属品なのかもしれない。自分の外側にあるもの。自分は全体として完結していて、それに付随するもの。

  男性からすれば女性に帰するのかもしれない。足りないものが常に自分の内側にあるのかもしれない。いつまでも不完全だからこそ行動し続けるのかな?だから男性の方がより本能的で、女性の方が打算的になるのではないかな。もちろん打算的な男性もいるし本能的な女性もいるけど。

  男女両者ともに、謎であり異物であるものと交流し影響され取り入れて、新しい価値観や生活を持つようになる。時にはその謎に圧倒されたい、自分が自分でなくなるような劇的な恋愛をしたいと望んだりするのだろう。

  それは悪いことではない。

 

  「ノルウェイの森」を再読してやっぱり思う。「こんな女の子はいない^_^!」現実的ではない。

  でも羊男だっていないんだから村上春樹読者としては受け入れざるを得ない。シュールなものも黙ってワタナベ君は受け入れるのだ。幻想であったとしても受け入れる、それが小説だ。

  どんなに日常的に描かれていても、美味しそうにキュウリをぽりぽりと食べても、すやすやと子供のように眠っても、それは女の子であって女の子ではない。

  でも突飛な女の子は可愛いな。「ノルウェイの森」に出てくる女の子は謎に満ちている。

 

  それでワタナベ君は直子を愛していたはずなのにミドリのことも好きになって愛してしまう、というスジなのだけどそれに対してわりと肯定的に流れていくんですよね。同時に二人の女の子を好きになることもあるよね、みたいな。ワタナベ君は年上のレイコさんに相談するのだけど、レイコさんは「何もかもそんなに深刻に考えないようにしなさい。私たちは不完全な世界に住んでいる不完全な人間なのです」と答える。若い時には、割り切れないことをそのままにしておくのが気持ち悪かった。だから考え続けてしまったし、行動できないこともあった。年をとった現在、どんなに誠実に生きていても間違ったことをしてしまうことってあるよなぁと思う。

  (しかしこの小説はセックスで解決しすぎだ。セックスして気まずくなったり関係が悪くなることだってあるんじゃない、、、?)

  

  あとワタナベ君の先輩で永沢さんという人が出てくるのだけど、その人の「自分に同情するな」というセリフが好き。村上春樹の本では五反田君とかキズキ君とか優等生的な男の子がよく出てくる。アルファロメオだっけ?スポーツカーみたいな男の子。印象的なんですよね。

  「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」

  

  再読して思うこと1・時代を感じてしまうのと、2・セックスで解決しすぎなので、恋愛小説としては現代には合わないかなぁ、、、、だけど恋愛以外でも歩き廻る描写とか手紙の部分とか国土地理院に入って地図を作りたい同室の男の子とかギターを弾くのとかがあるので面白く読めました^_^

  売れたのは装丁かな?斬新ですよね。

  こんなに売れなくてもいいかなぁ?私は「国境の南」の方が好きです