美しいルート

  『だからこそ、自分にフェアでなければならない    プロ登山家・竹内洋岳のルール』小林紀晴幻冬舎。2014年。

  一気読み!!

 

  竹内洋岳さんは、日本人初、世界で29人目の8000メートル峰14座完全登頂したスゴイ人。テレビ番組クレイジージャーニーにもゲストで出てました。

  小林紀晴さんは、写真家。

 

  八ヶ岳天狗岳に一泊二日で2人で行く。密着インタビューとしたら贅沢だ。そして写真が綺麗だ。モデルのようにスラリとした竹内さん、超絵になります。

 

  クレイジージャーニーをYouTubeでみた時、「この人スゴイな…」というのと「この人ちょっと変だな…」というのが同時にあった。書籍で手に取ると、その度合いが倍増する。揺るがなさが凄まじい。スゴイのと変なのと軽やかさで、もう付いて行きたい、カッコイイ^_^オシャレなんですよね。スタイルって大事だなと思いました。

  多分、書き手の小林さんもヤラレちゃってる。予定調和的な一言なんか絶対くれないもの。こんな事きいたらダメかな、と逡巡してたりするけどそれがもうすっかりファン目線、私目線なんだもの。そうさせてしまうほど、なかなかにカッコイイです。キュンキュンです。思わずインスタフォローしちゃいました^_^

 

  もちろん14座の話もたくさん出てきて、そのひとつひとつが尋常ではない。クレイジーです。

  私が面白いなと思った章は「経験は積むものではなく、並べるもの」「社会や学校は8000メートルみたいなもの、適応できなかったら逃げろ生きるために」「人は死なないようにできている」「死んでいくことを記録しろ」「自分の足で下りてこないのは死んでいるのと同じ、だから下りるために下り直しに行った」「考え続けることによって自分を保つ」「美しいルート」

  山の話をしているようで、これは生き方の話だ。

  

  雨の八ヶ岳を登っているのに、なぜか竹内さんの靴は汚れないと小林さんは観察する。爪先も側面も汚れていない。腕の良い職人のように仕事が綺麗だそうな。

  「いつも、滑りそうだと思いながら、そっと足を置く。できるだけ平らに、まっすぐに」

  「足を上げる高さもできるだけ減らします」

  「足音が大きいということは、それだけ無駄に体力を消耗してることになります。雪山ではアイゼンで雪の上を歩いた跡をみると、わかります。足跡がきれいでない人は余計な体力を使っています」

  「(ふだんはメガネだけど山ではかけない)ぼんやり見えていれば大丈夫。足元ではなく、もう少し先を見ています。次の次の足を何処に置こうか考えながら歩いてます」

 

  興味を持って、好奇心のままに

  色々なものを感知して、「運」のせいにしない想像力を持って

  考えて

  未踏の地へ

 

  未踏の地へ、私も行こう

  

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