加点方式なんだよね

  今年2年めの私の後輩が、この12月をもって仕事を辞めるらしい。今日の昼休みの時間に2人で休んでいる時に、突然上司が入ってきてそう告げた。びっくりした。

  このタイミングで辞めるのにも驚いたし、自分で自分の事を言わないのにも驚いたし、辞める理由にも驚いた。

  

  そもそも彼女はずっと大人しくて、話しかけても反応がよくわからなかったし教育するのに難儀していた。大人しい人なのかと思っていたら、年上の人とは話ができない、と年下の私の先輩には偉そうにタメグチでガンガンいっててそれはそれでひいた。本音と建前で使い分けていて表裏がものすごくあるのかと。プライドが高くて後ろ向きで、なかなか一歩前に向けないそんな印象。

  1年で辞めるんだろうなと思っていたら、続けたので驚いた。このところ声も大きくなったし、自分から積極的に接客するために前に出るようになったので私は「なんか変わったな。自信がついたのかな」と思っていた。前に比べて私にも質問もしてくるようになった。慣れたのかなーと思っていた。

  

  そしてこの辞めます宣言。

  公務員の試験を受けるらしいです。大学時代にも専門学校に通って、学科では合格したらしいけど面接で不合格だったそうです。そんで諦めてココに就職したけど、また、同じ公務員の試験を受けるために辞めて学校に通って勉強するそうです。

 

  うーん。

  勉強したら学科は通るのかもしれない。面接は大丈夫なのか?この2年で自信がついたのか?特殊な採用枠なので少人数だし。

 

  「夢が諦められなくて。この仕事が嫌になったわけではないです」

 

  まだ「仕事が嫌で辞めます」の方がスッキリする。

 

  この気持ちって「友達が無理矢理結婚する時に、もっとよく考えた方がいいよって助言すべきかどうか迷う」のに似てる。

  本人も何か自分を騙していて、でも他人には前向きな発言をするから周りも応援する方が自然な成り行きで、自分の人生なんだから若いうちに挑戦したいみたいになると「そうだね」と頷くしかない。

  今のこの仕事を続けても彼女は幸せにはなれないだろうけど(多分)

  やりきれてないような気がして勿体なく思う。

  本当に。仕事の面白さはこれからなのにな、と思う。

  自分がやり始めないとわからない事はたくさんある。

 

  「やってください」と私がお願いしてそのまんまにされた事はたくさんあった。

  やってない事を確認して自分でやった。

  彼女が自分で自分の責任で「やらなきゃ」と思った事ってどれくらいあるんだろう。

  なんの為にやるのか考えたりするだろうか。

 

  自分ばっかりと思うのだろうか

  自分にはできないと思うのだろうか

 

  試験ってとかく減点方式なわけで。

  でも仕事ってどちらかといえば加点方式だと思う。

  失敗してからのリカバリーの仕方で信頼を得たり、

  当たり前の事をやっても評価されず、記憶に残るような工夫をする方が評価されたりする

  今までのやり方を見直して新しいやり方を取り入れて、いかに馴染ませるかとか

  知識や法則よりも、実践的で実際的な発想力だったりする。

 

  自分の事を自分から切り出せないようでは、「夢が諦められなくて」とか言われても、今の時代の公務員ってホント大変だと思うし、試験合格しても仕事できるのかなと心配になる。

  

  加点方式なのだよ人生は

 

  減点方式から脱却しようー