紅生姜行進曲

  人が撮った写真を見るのがわりと好きだ。

  全く同じじゃない

  春の風景も、桜の色も、空や光の感覚も、人との距離も、何もかも違う。

  私と違う、誰かと違う、なんかそういうのが好き。たとえ同じ場所で同じものを見ても全く違うのだろう。

 

  違う場所にいる人、違うものをみる人、

 

  「紅生姜とか好きなのかな」とふと思う。

  私は好きだ。まっかなやつ。身体に悪そうな色の。

  「ワインとかたまに呑むんだろうか」とふと思う。私は好きだ。濃いのも薄いのも、渋いやつも軽いやつも。

 

  あー、、しらすご飯食べたいと思う。

  おとといはメカブ納豆をごはんにかけた。それは多分誰にも関係ないこと。豆ごはんでもいい。そして昨日は初物のタケノコ。すまし汁なのでした。それは多分誰にも関係ないこと。

 

  瞬間で切りとられるその日常を愛しく思う。

  何もかも日常なのに、シャッターを切る瞬間に切りとられて、無関係な他人とも共有できてしまう、その暴力性。しらす、と思っているその瞬間に切りとられ、ごはん、と思っている瞬間に倒れているかもしれない。

  あー、雨が降る

  あー、風が吹く

 

  私は本を開く

  熊谷守一の本

 

  永遠も一瞬もここにあるような気がしてしまう

  昔のあなたを想う

  自分のことは全くわからない

  わかることはひとつだけ

  自分が今生きていること

  

  咲く花も、山も、言葉も

 

  食べて寝て、風邪ひいたり怒ったり泣いたり、飲んだり笑ったり、大事と思ったりくだらないと思ったり、

 

  あー、みんな、元気だなと確認する

 

  それが嬉しい

  嬉しいと思える自分でよかった

 

  どんどん進めよと思う^_^

 

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