魔女たちのお茶会

  川の遊歩道に大きな柳の木があってベンチがある。

 

  3時半に待ち合わせて、友達二人とお茶会をした。急須持参、バーナー持参、レジャーシート持参、菓子持ち寄り。外の温度はそこそこあるんだろうけど、熱いほうじ茶と諸々を食す(二杯めはコーヒー)女性3名…

  ひとしきりペラペラと喋っていた。

  仕事のグチなどきいてもらって。しかしわりと二人ともカウンセラーな素質があって「解放した方がいい」と静かに言う。〝なんでも話せる友達〟って、そう言えば学生の頃はいたな、、、、。今でも昔の友達には悩みとか相談するけど、大人になってから知り合った人に、自分の事を深く話ししたりしないな。

  レイプされた話が出た。

  DVを受けた話が出た。

  勇気を出して話してくれたと思う。すごく勇気がいったと思う。身近な人でも過去にそういうツライ事があった。。。。

  聞いてて涙が出た。

  聞いたけど、ちゃんと言葉にできなかったと思う。

  「今ね、話している時にね、すごく綺麗な青い鳥が飛んだよ。オオルリかね」1人が言った。

  「カワセミじゃない?すごく青い鳥、この川ならいると思う」と私は答えた。

  …オオルリは高い木にとまる。だからカワセミだと思う。でもなんだか「青い鳥」という単語を使う彼女が素晴らしいなと思った。「川と一緒に嫌なこと、流れていくよ」

  誰かに話すことによって、解放されることもある。

 

  マッサージの免許を持つ彼女が、首をほぐしてくれた。レジャーシートで仰向けになって目を閉じて、木漏れ日や風を感じて。ほぐしてくれた。強く揉むわけではない。痛いところをじっと手をあててくれる。

 

  「私は魔法使いやけ」

 

  起き上がって、まっすぐ私をみる。

  「声に出して言ってごらん。私は幸せになります」

  「私は幸せになります」

 

  「私には幸せになる権利があります」

  「私には幸せになる権利があります」

 

  「私は幸せになる道があれば、幸せになる道を選択します」

  「私は幸せになる道があれば、幸せになる道を選択します」

 

  「呪文やけ。毎日、声に出して言うんよ」

  居るだけでいいんよ。一緒にいる私たちは幸せよ。お父さんお母さん、彼氏だってそうよ、居るだけでいいんだからね。頑張ってもいいし、頑張らなくてもいいんよ。できなくても甘えてもいいんよ。

 

  言われて涙が出てしまった。

  誰かにそう言って欲しかったんだと思った。

 

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  「谷川俊太郎がね、本当に出合ったなら別れない、って言ってたよ」

  涙をダラダラとこぼしながら言った。

  「出会いって大切だよね」

  「いつでも思い出すから。こんななんでもない日を」