「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」をみた。

  2011年。

  あらすじ。
  主人公の少年は繊細で聡明だけれど、普通にできるであろうことができなかったりする。ブランコに乗れなかったり。(アスペルガー症候群?)父親は彼と仲良しで、共に勉強したり探検したりする。母親と祖母も彼を心配し気にかけている。
  9・11で父親が亡くなる。少年は父親の遺した鍵を発見し、合う鍵穴を探す冒険をする。

  なんと言っても主人公の少年が良い。すこぶる良い。トーマス・ホーン!!
  子供らしい可愛いらしさも勿論あるけど、人よりも感じやすく傷つきやすい、難しい役をよく演じたなぁ、と感心する。時に神経質にヒステリックに頑固に。彼にとって辛いことがたくさんあって、なんだかとても大人っぽい。
  大人だったら言えないような無神経な言葉も出るし、空気なんか全く読めなくて一直線なのだけど、そういうのもとても痛々しい。
  生きてるのが辛そう。
  地味な映画だけど、この少年がこのような冒険をするなんて、感動的だ。

  この少年に共感できない人も、なかにはたくさんいるだろう。
  キャストに惹かれて幸せなアメリカのほんわか感動物語を期待した人なんかはダメだろう。
  子供向け、ファミリー向け、カップル向けではないです。
  心に傷がある人向けです。
  
  障碍者だから・病気だから・マイノリティーだから……、
  そういうくくりではなくて。
  誰でも(生き辛いなぁ)と思うことはあると思うのです。
  なんとなく仲間に入るのが億劫とか、誤魔化しているのが嫌とか、同情し過ぎて疲れちゃったとか。(1人でいるのがよっぽど楽!)とつくづく思っちゃったりとか。
  
  なかなか前向きになれない時とか。
  周りの優しさに気づけない時とか。

  テロとか被災とか事故とか、無差別の暴力で立ち直れないとか。

  そういう時にみるといいかなぁ。
  それでいつかなんとなくこの映画を思い出したりするんじゃないかなぁ。

  少年は女の子に(がんばってね)とキスされても怪訝な顔。皆に(早く見つかりますように)とお祈りしてもらっても反応ナシ。。。。
  。。。。なのか、な、と思ってみてたら、最後の方で彼らに手紙を書いてます。
  その場では応えられなくても。
  彼のやり方で経験して消化して、ちゃんと還すんです。

  「レインマン」のようなファンタジーはないけれど、
  ちょっとした救いがあります。

  うーむ。わりと好きです。

  皆に勧めるような映画じゃないけど、この映画を気に入った人とは、長く付き合いたい。たまに会って話したり、絵葉書とかくれたら嬉しい。

  予告編があまりにも爽やかで。コレは詐欺なんじゃないかと思った^_^
  この予告編いけないと思う、、、