ハートの3。石窯ピザ。山々。

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  週末に学生時代の友達が来た。
  土曜日・日曜日と泊まり、月曜日に帰って行った。

  考えてみれば20年来の友達だ。私が39才だから。
  …ちょっと待てよ。
  …18で出会ってるんだから、出会いのない時間と、出会ってからの時間は、、比べたら、、、出会っている時間の方が長いんだ…!!
  私の人生においてこんな事が起こるなんて…!!
  もちろん大学時代のような濃ゆい時間の共有は、社会人になってからは無い。たまに会ったり手紙書いたり旅行に行ったり、という付き合い。
  離れて暮らして2年くらい会っていない事とかもあるし。仕事が忙しくて会えない事もあるし。
  近くにいても、自分の気持ちとして会えない事もあった。。。

  それでも私たちはお互いの結婚式で泣きながらスピーチをして。それはもう号泣。
  お互いを大事に思い。お互いを癒しどころにしていた。許し過ぎ、、、
  私たちはズルイ関係かもしれない。
  ズルさも吹っ飛ばすような、お互いのジョーカーのような気もする。
  ロイヤルストレートフラッシュを覆すハートの3のような。
  思ってもみない視点の、弱味であり、強みである。

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  月曜日。
  中国自動車道にて。
  徳地から戸河内まで、見事に山々は紅葉し、カレンダーの写真のように素晴らしかった。しっとりと小雨の中で葉は色づいていた。
  私たちは目的地に向かうために自動車道に入っただけだ。しかしその道中の景色によってすっかり盛り上がってしまった。(標高の高い道路なのでしょう、紅葉の進んだ山々が一望できる)
  カーステレオに当時聴いていたCDが入っていた。それは私がズボラーだったために、ヒョンな感じで出てきたもの。計算して狙ったものではなく、偶然なんだけれど、とてもとてもとても私たちは思い出を刺激された。神的、運命的に気持ちにフィットした。
 「最新アルバムではなく、当時聴いていたアルバムだった」のが良かった。半分忘れかけてるんだもの^_^

  「あそこの赤、綺麗!!」
  「山が!山単位で赤!燃えてるみたい!でも私黄色!黄色が眩しい!」
  「こっちも凄い!ヤバイ!綺麗ー!」
  「霧がかかってるー!写真集みたいー!」
  「カレンダーみたいー!」
  「絶景写真だよね?」
  「日本じゃないみたい。北米?こんなん夢かも!」
  「信じられない」
  「ぅう。空、飛んでるみたい!」
  「ぁあ、みてあのオレンジ…!」
  「はるか、コレこの曲だよね。この曲、はるかに似合う^_^」
  「うん。はるか元気かなー、1月来るのかなー」
  「さとこも会ってないなぁー、元気かなー」
  「1月行けるかなー、わかんないなぁー」
  「また皆で会えたらいいね」
  「ほんとね」
  
  「これ本当に39年生きた中の、人生でNo.1紅葉かも!」
  「うん、確かに」
  「このアルバム、20年前なんだよね?」
  「うん」
  「                    」
  「うん?10年前?」
  「2、0年」
  「…!」
  「感覚的には10年前だけど、…そう…に・じゅう年前だよぅ…」
  「…!」

  そりゃあ結婚もするし、2人めもできるし。かたや結婚して離婚もするし。かたや仕事頑張ってるのも、趣味を頑張ってるのも、色々いるさ。会いたくても会えない人もいるし、死んだ人も、別れた人も。会いたくなったら会える人も。
  
  隣で同じ景色に感動できて、同じ曲を口ずさんで、くだらない話ができることに、幸福な気持ちでいっぱいになった。
  家族や友達と共に過ごせる喜びに感謝した。溢れて、涙がこみあげた。
  秋の美しさと切なさでいっぱいになった。
  歌いながら、過ごした日々が身体を巡った。
  私はずっと望んできたものの中に居る。とても恵まれている。
  
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  「私、なんにも変わってないな…」
  彼女は言った。

  彼女は行動し、結論し、これから別れを告げる。
  疲れてカサカサになっている。
  
  私たちは思い出話はあまりしない。たまにしか。
  今、好きな人ともうまくいかないかもしれない。
  いつか別れるかもしれない。

  「あんなに幸せだったのに」
  彼女は言った。

    私たちは、隣にしいた暖かい布団の中でポツポツと語る。
  電気を消して、眠る前に。闇の中で。学生時代の時のように。
  
  祈るように眠る
  みんなが幸せになれたらいい

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  アルバム「TIGERSONGWRITER」KAN。1989年。
  1. Songwriter
  2. 長ぐつ
  3. サンクトペテルブルグ
  4. Saigon
  5. 愛しのオクサーヌ
  6. 月海
  7. ドラ・ドラ・ドライブ大作戦
  8. Song of Love
  9. 君を待つ