江戸の地図をみると、農地が広い。武家屋敷の庭も広い。朱引内(江戸城を中心に、品川大木戸・四谷大木戸・板橋・千住・本所・深川以内の地)の、おそらく七割くらいが緑地、農地、庭園だった。
今の東京からは想像できないけれど、そりゃそうだ、江戸は緑地だらけのはずだ。
当たり前だけど、冷蔵庫が無い。
輸送トラックも無い。
化学調味料も添加物も無い。
食料事情を考えたら、農地は都市とは切り離せないのです。ほとんどが農地でその間に、人間がぽちぽちと暮らしている状態です。
葉物野菜はだいたい四里、約16キロ以内でしか供給できなかったそうです。
ほとんど米。あと煮物と漬物です。
季節によってはとれたて新鮮な野菜がプラスされる。
農家は、勿論無農薬。
有機肥料で下肥を使っていた。食べ残しの生ごみも。
都心の周辺の農家は野菜を船や馬につけて売りに来たのですけど、帰りの荷で下肥や生ごみを持ち帰り、堆肥に使っていました。一石二鳥。
臭い、汚い、と避けない。
むしろ高値で売られていました!
物価の安定していた江戸にあって、下肥価格が高騰し、天保の改革で下肥価格が高すぎるから下げなさいという御触れが出されました(ひぇー)量が不足し、品質(?)によって三倍から五倍になったそうです。
下町の職人衆は、江戸前鮨、天婦羅、鰻など口が奢っていました。だから職人衆の多い長屋の下肥は高かった、逆に大店は粗食で安かったらしいです^_^
江戸の町がいくら生ごみを出しても、近郊の農地があっという間に吸収してしまいます。
わら製品も多かったでしょう。わらじ、ぞうり、敷物、米俵、…。これも使い切ったら堆肥になる。
お風呂屋の燃料にもなる。
最後に出た灰を、灰買いが来て、また肥料にしちゃいます。
江戸の家は、木と紙で出来ている。火事が多かったんですよね。あっという間に燃えてしまうんでしょうね。木と紙だもんなぁ。
すごいんですよ。
化石燃料を使わずに、太陽エネルギーだけで、ちゃんと自給自足してるんですよ。
電気がなくて不便?
でも便利になっても私たちは忙しいままですね。
不便だからこそ、のんびりできることもあるし。
シンプルな生活で飽きる?
シンプルだからこそ、上質なものがわかるようになるのではないかしら。
多様性とか個性とか、どこ吹く風の江戸町人の文化は、かなり高水準だったと思います。
モノを持たなくてもいい。
モノで武装しなくてもいい。
より多く、より安く、より早くという価値基準を変えた方がいいと思う。地球も悲鳴をあげているよ。
やっぱり、江戸いいなぁ。