彼は、霧が深く立ち込める険しい峰で、内なる声を聞く。
「ほんとうはこれがお前の中の景色なのだよ」意地悪い大きい彫刻の表面に沿って、険しいところでは身体が燃えるようになり、少し平らなところではホッと息をつきながら、這わなければならないと諒安は思いました。
(これはこれ
惑う木立の 中ならず
しのびをならう 春の道場)
諒安は夢中で先に進み、いつの間にか真っ白なマグノリアの木の花が一面に咲いているのを目にする。
そこで彼は、マグノリアの木の化身と思われる男性と言葉を交わす。
「あなたですか、さっきから霧の中やらでお歌いになった方は……」その人は問う。
「ええ、私です。またあなたです。なぜなら私というものはあなたを感じているのですから」諒安は答える。
「そうです、ありがとう、私です、またあなたです。なぜなら私というものもまたあなたの中にあるのですから」
その人は笑いました。
……内なる解釈