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現実逃避、、、、

  『東京島桐野夏生新潮文庫。2010年。を読んだ。

  あらすじ。無人島に中年夫婦が漂着する。そのあと23人の若者が漂着する。そのあと中国人12人が漂着する。その中で女性は清子ただ1人、あとは男性、という設定。
  逆ハーレムなのだけど、清子は40過ぎのおばさん。
  序盤は女性として目覚めるけれどそれがメインの話ではなく。
  男性たちが如何に社会を築いていくか四苦八苦している中で、いかに女性として価値の無くなっていく自分を社会に位置づけるか、そういう話。ただ1人チヤホヤされていた女王は、蔑みの対象の娼婦となっていく、その過渡期。ドロドロしちゃってもう。

  主人公は清子だけれど、他の人物も生々しく語られる。
  清子に棄てられる旦那、皆に嫌われて1人暮らしするワタナベ、はじめは責任を感じて記憶喪失を装うモリ、不良崩れのアタマ、カスカベ、死んだ姉と話をするマンタ、心優しい青年の犬吉、文学青年のオラガ、中国人のヤン、ムン、……。
  殺し合いもある、発狂もある、裏切りもある、もうドロドロです。歪んでます。
  
  登場人物の頭が悪いんです。
  そういうのって、ドロドロさが増します。
  イヤ、無人島に何年もいたら、理性なんかぶっ飛んでしまいますよね、、、、。

  ゴールディングの『蝿の王』では、子供達がサバイバルしたけれど、『東京島』では、非力な若者たちが文明に焦がれて逃避しがち。
  中国人はかなり力強く生活していたけれど、、

  1人じゃいけないんだ、というのがよくわかったし。最終的に清子さん、強かった!無人島は嫌だ!逃避しちゃいけないんだ!

  …かなりドロドロしちゃってますが、加速して読めた。面白かった。
  (現実逃避、できるかも^_^)