月下美人の鉢。

  夕方6時。
  「写真撮ってもいいですか?」と百合子さんにお願いしたら「開いたところを撮りさん」と鉢を貸してくれた!!

  じゃーん





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  つぼみが大きく膨らんでいる

  百合子さんは、夜8時くらいから3時まで開くと説明する。とっても良い香りがするって。

  初めは恐縮していいですいいですと断っていたけど、河野さんにも貸したし吉野さんにも貸したしと言われ、「私は何回も見てるからえーんよ」と言われ、えいいですかぁ?えー?となり、「鉢、持てるかね?」と聞かれ「持てます」と答えていた、、、

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  つ・ぼ・み♥︎
  「なんか、すいません♥︎」



  月下美人ってすごい名前だなぁ、、、

  
  ☆


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  夜7時半。
  開いた!
  匂いもする!


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  夜8時。
  イソギンチャク!
  匂いがさらに強まる。


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  夜8時半頃。
  月の光にあてた方がいいのだろうか?
  悩ましいところ。花として魅惑的なカタチになってきた。雄しべが万全な雰囲気。花の香りもさらに強まっている。


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  開いたー!

  夜9時頃。
  花の香りに酔いそう。
  色気ってこんな感じかな。
  生命のエネルギー、発情というか、瑞々しく引き付けられる感じがしました。
  自然ですね。
  うん。色っぽいです^_^


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  夜中1時半頃。
  開いてるねー♥︎

  、、、つい確認してしまいました^_^

  月下美人って名前がいいよね。

  
  なんとなく、色気ってカタチではなくて気配だな、と思いました。


  ☆


  朝には、花はつぼみ、匂いも薄れました。
  また次の夜には絢爛と開き、香り、酔わせるのでしょう。
  時をかけ、期待と不安で、実体と夢が結合し、後には余韻を残すのでしょう。
  
  朝にはその花びらとつぼみ。
  信じがたい夜のよろこび。
  なるほど月下美人^_^


  

ゆっこのポストカード。

   彼女は、思い出したように絵葉書をくれる。
  昔からそうだった。
  でも、途絶えた時期もあった。
  …そしてまた思い出したように絵葉書をくれ始める。近況などが書いてある。

  メールのやりとりもする。月が綺麗だよそちらはどーお?とか。
  年賀状もくれる。プリント印刷に一言二言。
  
  私は年賀状を書かないことが多い。
  好きではないのだ。

  思いついたように手紙を書くのが好きなのだ。

  大事なことって何だろう。

  彼女が私にしたためてくるのは、前向きな言葉ばかり。
  離婚裁判が始められるところまでやっとこぎつけたようで、、、三人子育て中のシングルマザー、今年から正社員で働いてるみたいです。
  美術館に行ったこととか、バスケを時々やるとか、旅行に行きたいなーとか。
  
  私は彼女とは大学の女子寮で同室だった。スラリとモデルのように背が高くて、さっぱりとして、のんびりとした女の子だった。
  何故だか、彼女はものすごく私の事を気に入ってくれて「私は貴方をしっかりと掴んで離さないからそのつもりで」と宣言された^_^そしてその宣言通り。今でも時々連絡がある。

  彼女にとって、私は、映画とか音楽とか旅行とか美術館とか、そういうことの象徴なのかもしれない。
  朝寝坊したり夜更かししたり遅刻したり失敗したり、それでもマイペースでいることの象徴なのかもしれない。
  私も学生の頃やフリーターの頃は、よく思いついて手紙を長々と書いたり、気に入りの絵葉書を出したりしたものだ。

  彼女からの絵葉書は、「母親」でもなく「社会人」でもなく、「友達」しかなくって。当たり前だけど。
  「1人の女の子」のようだ。

  何度も好きな映画を見るように
  何度も好きな音楽を聴くように
  …そしてやっぱりこの映画いいよね、って誰かに言いたい時に、その相手は私なんだなと感じた。
  思い出話はしない。
  批評もしない。

  ただ「あの映画よかったよ」とか「この作家がマイブーム」とか「感動しちゃった」とか、そういう話題の相手に選んでもらえる事が嬉しい。光栄です。
  
  返事を先程書いてポストに投函した。
  香月泰男のドローイングのポストカードで。
  「長田弘の詩ふたつが最近のお気に入りです。クリムトの絵がついてます。またね。京都あたりで会おう!」と締めくくった。
  
  貴方ががんばっているから私もがんばれる。
  貴方が楽しそうだから私も楽しいことをしようと思う。
  またねと約束したら案外と簡単に会えそうな気がする。

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9月の週末。


  土曜日。
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  周防大島の文珠山に登りました。

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  お天気は曇りだったので、9月にしては暑くなく、登りやすかったです^_^

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  ☆

  日曜日。
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  別府弁天池。
  雨の中、お祭りをしていました。
  
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  水がすごく綺麗。
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  五穀豊穣を願う。
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  祭りのあと、温泉に浸かってダラっとしました。



こんなに世界は広いのに

  うちの猫のトイレに、ヤモリの子供が居着いている。
  その存在に気づいてから、かれこれ10日ほど経つと思う。
  たまたまヤモリがいるのかと思っていたら、あえてそこにいるのだなと確信してから10日経つということ。
  うちの猫は外で用たしをするので、猫トイレは緊急用としてしか使われない。子供のヤモリからしたら、そこは明るくて広々とした快適な空間なのかもしれない。洗面所に入るたび、子供のヤモリを確認する癖がついてしまった。無表情でピタリとしている様子に、なんだか和んでいる。
  ヤモリって家守り。
  トカゲのように恐竜じみてないし爬虫類を前面に押し出していない。トカゲはウロコありそう、どちらかと言えば攻撃的。それに対してヤモリってフヨフヨと柔らかそうで妖怪っぽい、動じない印象である。

  食事はどうしているのか。
  用たしはどうしているのか。
  退屈ではないのか。
  猫に見つかったら嬲り殺しになるのではないか。
  猫は猫としておっとりし過ぎではないか。

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  猫トイレの中のヤモリを写真とってもアレなので、↑猫写真を^_^

  ヤモリの指先が非常に可愛いらしいです。瞳もつぶら。

  猫トイレで満足なのだろうか。
  こんなに世界は広いのに。

  毎日を精一杯生きてほしい。

  
  

「ワイルドバンチ」をみた。

  サム・ペキンパー監督、脚本。
  ウォロン・グリーン脚本。
  エドモンド・オブライエン
  1969年。ディレクターズカット版。

  アメリカ西部劇。
  うっとりです!!
  暴力的過ぎて、いろんなところから苦情が来たであろう作品ですが、私的には文句無しの二重丸作品です^_^

  どんな風に暴力的かというと、例えばリンチシーン。車で公道ひきまわし。パレードのように皆で酒を飲んで女はべらせて、子供たちはボロ雑巾のようになったひきまわしされている人に跨がって遊んだりしてます。無邪気に。
  例えば、橋をダイナマイトで爆破するのでも、馬ごとです。馬ごと爆破されて川に落ちて流されていきます。(馬、怪我しないでしょうか。心配です)
  ライフル、ピストル、マシンガン、ダイナマイト、ナイフ。
  いろんな風に人は血を流し、倒れていきます。

  暴力的ではあるけれど、猟奇的ではないのです。

  例えば、撃たれて屋上から人が落ちる。
  逆光だったり、スローモーションだったり。馬が暴れて倒れる。ドレスがめくれる。砂埃があがる。讃美歌の行進。メキシコ移民やインディアンの装束、訛、スペイン語。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  そして何より主人公(ならず者)がカッコイイオーラ出過ぎです。
  ならず者なのに自分の規律はしっかりとあり、ただの強盗ではありません。
  他のならず者達も、個性が強く、優しく、仲間想い。ガハハハーと皆で笑いあうシーンなんかは胸が熱くなります。
  普段はムッツリしているので尚更笑顔が印象的です。
  
  後半、死の行進と呼ばれる、ロングでただただ四人が歩くだけのシーンがあるのですけど。死を覚悟して歩くシーンですね。死を覚悟した瞬間、仲間同士が顔を見合わせて「ハハ」と笑うんですよね。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  最高の仲間だと思っていた男が死んでいる場所に行き着いて、ふぅ、とため息をつき、彼が腰に指していたピストルを抜き取る。
  言葉もかけず、身体も整えてやらず、形見のように抜き取ったピストルを手に、傍らに腰かける。無言。死んだ状態で再会するなんて。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  登場する女の人も、切ない表情したり、恋しそうにしたり、バッチリである。
  画一的ではあるけれど「いいよね、こういう風な女の人が男の人はいいんだろうけど、別にいいよね、なりたいとは思わないけどいいと思う。好きかもなー」というワイルドバンチぶり。実に、男を引きたてる女ぶりだ。
  男は女を引きたてるものであり、女は男を引きたてるものだ。
  うっとりしてはいけないでしょうか?

  ただただバイオレンスなのではなく、ハラハラドキドキが多く、エンターテイメント性も高い。あっという間に見終わり、その後の余韻も楽しみました。
  「死」を軽々しく扱ってはいけない。「暴力」に対して鈍感ではいけない。
  それはそう。

  最後の方のシーンで、生き残った仲間が、男に声をかける「一緒に行かないか?きっと面白いぜ」
  男は、ニヤリと笑い、馬に跨る。

  ここで描かれるならず者達は、「死」や「暴力」と隣合わせの生き方だけれど、「なんだか面白そうだ」という気配で、そちらの方に向かう。
  そこには仲間がいる。
  新しい仲間でもきっとガハハと笑うだろう。

  うっとりしてはいけないでしょうか?
  


  大学生の頃に初めてみて、今回は2度目。やっぱり好きな映画は好きだ。
  「ガルシアの首」にも、うっとりしたものだ^_^

  サム・ペキンパー監督、カッコよすぎ。
  西部劇はあまりみないのですが、これ以上は無いような気がします。勝手に。
 ( あ、「俺たちに明日はない」もカッコイイですよね)

  映画って、結果、自分がうっとりしたいだけなんじゃないかと思います。
  「はぁ♥︎やられたー!!」と全面降伏したいだけなんじゃないかと思います。
  負けたいんですね。
  自分には追いつけないような、圧倒的な 美学にコテンパンにやられたいのです。



もじもじ


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  あつあつパスタ。ほら、湯気たってるでしょ?↑
  タコ入りラグーン。チーズもニンニクも唐辛子も入っている私好みでした。胡椒が効いてて美味しいー^_^
  ミニサラダ、フランスパン、桃アイスティーが付いて千円でごわす。

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  いい感じ。

  古いビルに、オリジナル一点物みたいな手仕事の、小さな店がいくつも入っている。
  可愛いです。
  リノベーションしながら続けていくのかなぁ。

  古民家カフェとかログハウスとかツリーハウスとか、楽しそう。

  元は(今も?)海運系のビルなので、船乗りとか税関とかフェリーとか輸入とか、そんな雰囲気が漂っていて面白い。
  建物とか道で醸し出される雰囲気。
  鉄道も始発駅なので、いい感じです。
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  レトロだ…。

  今日はよさこい祭りだったので、そこら中にド派手な衣装を着た人たちがいた。
  ちっさい子もしっかりメイクしていて可愛らしい。
  それに紛れてハイカラさんファッションの人もいる(←大正レトロ?)
  さらに紛れてコスプレイヤーの人もいる(← ?)
  …でも待てよ。
  このよさこいってアニメっぽ過ぎないか?テンション高めでカラフルで歌って躍って。ちょっと見物していたのだけど、飲み会のコールみたいなチームが多くて疲れてしまった。。。
  この「よさこい」って何だろう?
  高知のよさこいや北海道のよさこいソーランとはまた別物なのだろうか??
  平岸天神はかっこいいのになぁ。
  
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  海にエイがいた。
  ↑悠々と私の前を泳いでいた。ヒラメじゃないですよね?エイですよね。
  、、、他にも、得体の知れないナマコみたいな物(シャコ貝?、ナウシカに出てくるオームみたいな物)が泳いでた。

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  ジンジャーティー。
  蜂蜜の甘みがよろしいです^_^
  他の席に、40代くらいの双子の姉妹がいて、二人ともナチュラル系のオシャレさんで可愛いかった。二人とも黒髪のゆるゆるパーマで、三つ編みさんと一つむすびさん。一人は水色&白ファッション、一人は紺色&茶色ファッション。
  いいなぁいいなぁ私も双子の姉妹がほしい。同じ顔で、同じテイストのファッションで街中を闊歩したい!

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  楽しいお散歩でした。
  
  
  

デート

  『東京百景』又吉直樹ワニブックス。2013年。の中の、76池尻大橋の小さな部屋の章が好きである。

  著者にとって大切だった人、大切な思い出が書かれている。

  すごくいい人ですごく優しい人だった。

  ディズニーランドに行きたくても電車賃もないような二人だった。貧乏でも二人だった。一緒にいて楽しそうだった。

 、、、 明るかった彼女は、とても地味な生活を好むようになった。体調を崩し、東京から去ってしまった。

  こんなはずではなかった。

  

  僕はキミに「ほな行こか」と言って軽快に歩きだす。そして、お腹が痛くなるほど焼肉を喰う。ゆずりあいは無しだ。お腹がいっぱいになったという嘘も吐かなくていい。次の日はカウンターの寿司屋の暖簾をくぐり大将のお任せで握ってもらう。次の日は特上の鰻だ。次の日はフランス料理。メニューを見てもわからないから、名前の響きが面白い料理と必殺技みたいな名前のお酒を頼もう。次の日は海に行って泳ぎまくり、夜は鮭の切り身とお茶漬けで胃を休める。「これが一番贅沢やね」と僕が言ったら、「知ったような口をきくな」とキミは笑ってくれるだろう。夜は露天風呂に入って夜明けの富士山を眺める。そこで僕は「ちょっと待ってて」と言ってパピコを持って来る。良いことがあった時だけご褒美として食べて良い、例のあれを半分ずつ食べよう。部屋に戻ったら太宰治の朗読会。いつか僕が熱を出した時に、『雨ニモマケズ風ニモマケズ』を読んでくれたお礼だ。新潮文庫を持参しよう。次の日はディズニーランド。キミは恥ずかしがるだろう。僕に気を遣うだろう。僕は大きな耳をつけてキミを待つ。速い乗り物とか、高い乗り物に乗ろう。次の日は富士急ハイランドで白いやつに乗ろう。銀座で、キミが笑い飛ばすような高級時計を買おう。リゾート地に向かう芸能人みたいなサングラスを買おう。高い雑誌に載ってる恰好良い服を買って無理矢理キミに着せよう。それで殴ったら歯が折れそうな巨大な宝石を指につけよう。そして海外に行こう。実は数年前にパスポートが取れたのだ。だからキミに頼まなくてもTSUTAYAでDVDが借りられるようになった。ニューヨーク、パリ、ミラノ、上海に行く。海外に行ったら、その土地の美味いものを食べる。飽きたら持参したペヤングを食べよう。                                   例えば、そんなことを僕が提案したら、その人は恥ずかしがって応じないかもしれない。何はなくとも安心感のある炬燵と蜜柑と、くるりの新譜があれば笑ってくれるだろう。

    東京で豪華なデートがしたいわけではなく、(次の日は、次の日は…)と繰り返す著者は。

  ただ、ずーーーーっと一緒にいたかったのかな、、と。次の日も次の日も。

  それが最高に切ない。

  小さな部屋でいいから。


  よくオススメデートスポットとか店とか、コースとかあるけど。そういう人気の、特別の場所でなくても、気があう二人なら本来なんでもいいはずなのだ。若ければ若いほど。

  多分、著者とその人は言うほどディズニーランドに行きたいわけではないだろう(だって恥ずかしがってるもの)

  それでもあえて、普通の東京のカップルらしいことをしよう、という提案が男らしい。

  そして実際に行ったとしたら、多分、夢のように楽しいんだろうな。あえて行くのもアリだと思う。


  東京なんて怯えるほどのものではない、

  貧乏で若かったあの頃(神田川)のキミに、恩返ししたい、応えられなかったことに応えたい、という気持ちが切ない。後悔ばっかり恥ずかしいことばっかりなの若い頃は。

  結果、小さな部屋でいいんだよな。大人になっても。


  パピコだってペヤングだって大人買いできるほどには成長しました。

  ただ、キミが笑ってくれたらいいの。


  バブリーでマッチョなラブレターを装っているけど、心のこもった手紙のように読みました。



  キミは元気に笑っていますか?