読書

桜の森の満開の下

大学一年生の時、一般教養の選択科目で「日本文学」を選んだ。 北村先生だ。 最初の題材が、坂口安吾の「桜の森の満開の下」だった。 先生は自ら音読した。すごく上手な訳でもない。下手ではない。まあまあ上手なのだ。ただ音読して、次の題材にうつった(…

坂本龍一がこれからやりたいことは…

職場の昼休みにテレビをみていたら、坂本龍一がこれからやりたいことは何ですか?と質問されていた。彼は、本を読みたい、と答えていた。彼の中で、これは読まずには死ねないという本がたくさんあるそうです。読もうと思って買って家にたくさん本があるそう…

(心の花)風姿花伝

家、家にあらず。次ぐをもて家とす。人、人にあらず。知るをもて人とす。世阿弥『風姿花伝』 芸能の道に生きた世阿弥の言葉は、なかなか重いですが、この言葉は世阿弥が生きた以前よりあったものを彼が書きとめたという説があります。 現在は個性を大事にす…

小林秀雄の流儀

鑑賞という事は、一見行為を拒絶した事のように考えられるが、実はそうではないので、鑑賞とは模倣という行為の意識化し純化したものなのである。『伝統』 ある絵に現れた真剣さが、何を意味するか問おうとして、注意力を緊張させると、印象から言葉への通…

犬の名はジョン

…去年ぐらいから急にこの犬、耳が遠くなって、目もよく見えなくなってきちゃったんです」 と話しだして、そこで一回話を切って、ぼくたちの顔を確かめてから、「で、この犬、ぼくのことを絶対に好きだから。 こっから先が、うまくわかってもらえるっていうか…

小林秀雄がいた場所

人間は、一枚の紅葉の葉が色づく事をどうしようもない。先ず人間の力でどうしようもない自然の美しさがなければ、どうして自然を模倣する芸術の美しさがありましょうか。言葉も亦紅葉の葉の様に自ら色づくものであります。ある文章が美しいより前に、先ず材…