読書

わたしを離さないで

今、読んでいる本。 『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ、訳:土屋政雄。早川書房。2006年。 すっごく面白いです^_^ 主人公はキャシー・H。31才、介護人。 介護人を11年やっていて、今年で介護人を辞めるらしい。彼女の独白で物語は進む。 介護人といっ…

現実逃避、、、、

『東京島』桐野夏生、新潮文庫。2010年。を読んだ。 あらすじ。無人島に中年夫婦が漂着する。そのあと23人の若者が漂着する。そのあと中国人12人が漂着する。その中で女性は清子ただ1人、あとは男性、という設定。 逆ハーレムなのだけど、清子は40過ぎのお…

ひとりある記。

高峰秀子『巴里ひとりある記』新潮社、2011年。を読んだ。 五歳の子役からずっとスター女優。こだわりのある美しい人。言葉もよくわからないのに、27歳で単身パリに飛ぶ話。写真、イラスト付き。 私は成瀬巳喜男監督の『浮雲』の彼女しか知らなかった。 随…

表面と内側。

今読んでいる本。 『雪屋のロッスさん』いしいしんじ、メディアファクトリー、2006年。 短編集。 絵本のようにあっさりと、簡単な言葉で書かれている。でもきっと、言葉の横に絵があったら邪魔だろう。そういう意味では詩集に似ている。 目次が可愛い。「な…

雪に閉ざされたアレコレ。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」という映画が大好きである。 モノクロ。煙草を吸っている人たち。雪も空も白い。 女優エスター・バリントが劇中、機嫌よくラジカセの音楽を聴いている。スクリーミン ジェイ ホーキンス。 YouTubeをみたら、ちょっと驚…

とらわれたもの。

とらえがたいもの。http://sprighascome.hatenablog.com/entry/2013/11/26/212659について、この間、考えていた、というかぼんやりしていた。美しさに感動するってどういうことなのだろうと、メモを整理するようなもの、羅列。 羅列しかできない。なんかも…

とらえがたいもの。

いきなり引用する。 白洲正子『遊鬼』の中で、彼女の師である青山二郎の言葉。 「美なんていうものは、狐つきみたいなもんだ。空中をふわふわ浮いている夢にすぎない。ただ、美しいモノがあるだけだ。モノが見えないから、美だの美意識などと譫言を吐いてご…

白の景色

修行僧、諒安。 彼は、霧が深く立ち込める険しい峰で、内なる声を聞く。 「ほんとうはこれがお前の中の景色なのだよ」意地悪い大きい彫刻の表面に沿って、険しいところでは身体が燃えるようになり、少し平らなところではホッと息をつきながら、這わなければ…

世界にくちづけするように

すべての女性を愛するドン・ファン…… ……プレイボーイとか浮気性とか薄情者とか嘘つきとか、いろんな言い方があるけれど、映画「ドン・ファン」のジョニー・デップが演じたようなドン・ファンなら……、個人的にワタクシは、女性としてマチガイがあっても良い…

予定調和で構わない。

本の雑誌「ダ・ヴィンチ」で高橋留美子特集をしていて、思わずじっくり読んでしまった^_^ そうそう。私は「うる星やつら」が大好きだった。 ピンクレディーの流れか?わからないけど、はじめて親にねだったのは「うる星やつら」のカセットテープ(古い、、…

ルーマニアノート。

『ルーマニアの森の修道院』を読んで、唖然としたこと。抜粋。以下。 * 野良イヌは町のいたる所にいて、まるで野良イヌ王国のよう。野良ネコも多い。田舎には、ガチョウ、ヤギ、ヒツジ、アヒル、ウシ、ウマが加わる。皆わさわさ、ガヤガヤと暮らしている。…

地図は要らない。

わりと親身になって読んでしまうのが旅行記。 ガイドブックのようではなく、日記のようなものが好き。 写真が多いものがいい。 厚いものよりも、ペラペラのすぐ読めてしまえる感じの方がいい。 ツルツルの紙ではなく、ざらざらの紙がいい。 ホテルや店の名…

愛想笑いをやめたら、心から笑えるようになった。

今日は図書館で写真集をあさっていた 凄い写真もあったし、それについて何か言えたらカッコいいんだけど(言わない)、、、代わりに好きだった写真集の話をする。 私が「ぅお!」と思ったのは、やはり人物写真だった。 その写真集のコンセプトは『ジャンプ…

少年の罪科。

『午後の曳航』三島由紀夫、新潮文庫。を読んだ。 33歳の母親は、13歳の息子と二人暮らし。父親は息子が8歳の頃に亡くなった。船乗りの竜二と母親は、恋仲になる。……そういう話だ。 母親と竜二だけなら、メロメロなメロドラマなのだけど、息子の視点が…

連打。

うぅむ。 唸る。 『花ざかりの森・憂国』三島由紀夫、新潮文庫。を読み終えて。ぱらぱらと読み返して。やっぱり凄い短編集だと結論した。 三島由紀夫本人が「もはや愛さない」と言い切る「花ざかりの森」を除いて、完成度が、純度が高い。(「花ざかりの森…

午後12時半。山と谷を超え、斉藤和義の「僕の見たビートルズはTVの中」を大音量でかけながら車を運転し、もうすっかり秋だなぁと感じいって、ぼんやりと考えたこと。

『花ざかりの森・憂国』三島由紀夫、新潮文庫。を、読んでいる。 三島由紀夫自選の短篇13編で、解説も三島由紀夫本人が書いている。 短篇のくせに濃い。スケッチのようなものもあるのですが。 『詩を書く少年』は三島本人が十五才の頃に出会った命題だろう…

人間。

『ぴんぽんぱん ふたり話』瀬戸内寂聴、美輪明宏、の対談集を読んだ。 戦前、戦中、戦後を知っている(!)二人は、叩き上げの怖いもの知らず。しかもスピリチュアルな世界とも親しい。飛躍が素晴らしい。気持ちいいくらい飛んでくれる。お互いがお互いに触…

ちょっとした悪夢。

例えば文庫本を手にとって。 私は本文を読む前に「絶対に」解説やあとがきを読まない。 読書の後に、解説やあとがきを読んでそぐわない事もあるからだ。 解説者の名前を見ただけで、読むまい。と決めることもある。 もちろん、その解説やあとがきがあって本…

一日が潰れてしまった。

昨日の夜から『季節の記憶』保坂和志を読んでいる。 ちょっと読んだだけで〔この本は私にとって大事な本だから、明日一日潰しても構わないから、読み通さなければ〕と直感し、妙な使命感に駆られたのだけれど、……、進まない^_^ バーっと読める人っているの…

太平楽。

台風が近づいているので、今日は大雨であった。 昨日も大雨であった。 明日も大雨なのだろうか? 雷が鳴っていたので家にいた。猫もビビって帰ってきた。一緒に昼寝した。 坂田靖子の『伊平次とわらわ』を読んでゲラゲラ笑っていた。 これはいい。面白い。…

尾崎放哉の心境

淋しい寝る本がない自由律俳句⬆です。『 杉浦日向子の食・道・楽』を読み終わってしまった…。未練がましく、読みかえしている。どのページもすごく好きだ。 食や酒の話は涎が出る。器の話はウットリとする。病の話はしみじみときく。蕎麦屋の話は真似してみ…

枕元

先日、杉浦日向子の本が濃い酒のように刺激的だったので本を閉じたのだが……、 レイナルド・アレナスの『夜になるまえに』を読み始めたら、これはこれで刺激的であった。キューバ生まれの詩人がアメリカに亡命した記録である。 「初めに/終わりに」という章…

悶えながら、本を閉じる。

江戸風俗研究家として知られる、杉浦日向子先生のファンである。 漫画は全部揃えている。 粋という言葉がピッタリの、かっこいい女性である。 彼女がいなければ、これほど北斎や怪談話に親しみを持たなかっただろう。いつ読んでも新鮮な気持ちでページを繰…

『山テントで、わっしょい』を読んだ。

鈴木みきさんというイラストレーターの方が、とってもわかりやすく実用的に教えてくれる山登り指南書。 そうそう!ってなんかうなづいちゃう感じ!なんです。 森ガールとか山ガールとかあったけどそんなつもりもなく、尾瀬とか軽井沢でもなく、山岳部やワン…

至福

よ、ろ、こ、び。

手鏡としての本

私たちには出会いがある。 出会うべくして、出会うのである。 例えば読書。 私が高校生の頃、国語の教科書にあった小説や詩は魅力的であったか? それはそう。梶井基次郎や芥川や高村光太郎は高校生向きであり、教科書で出会うのもよいだろう。 大学の長い休…

桜の森の満開の下

大学一年生の時、一般教養の選択科目で「日本文学」を選んだ。 北村先生だ。 最初の題材が、坂口安吾の「桜の森の満開の下」だった。 先生は自ら音読した。すごく上手な訳でもない。下手ではない。まあまあ上手なのだ。ただ音読して、次の題材にうつった(…

坂本龍一がこれからやりたいことは…

職場の昼休みにテレビをみていたら、坂本龍一がこれからやりたいことは何ですか?と質問されていた。彼は、本を読みたい、と答えていた。彼の中で、これは読まずには死ねないという本がたくさんあるそうです。読もうと思って買って家にたくさん本があるそう…

(心の花)風姿花伝

家、家にあらず。次ぐをもて家とす。人、人にあらず。知るをもて人とす。世阿弥『風姿花伝』 芸能の道に生きた世阿弥の言葉は、なかなか重いですが、この言葉は世阿弥が生きた以前よりあったものを彼が書きとめたという説があります。 現在は個性を大事にす…

小林秀雄の流儀

鑑賞という事は、一見行為を拒絶した事のように考えられるが、実はそうではないので、鑑賞とは模倣という行為の意識化し純化したものなのである。『伝統』 ある絵に現れた真剣さが、何を意味するか問おうとして、注意力を緊張させると、印象から言葉への通…

犬の名はジョン

…去年ぐらいから急にこの犬、耳が遠くなって、目もよく見えなくなってきちゃったんです」 と話しだして、そこで一回話を切って、ぼくたちの顔を確かめてから、「で、この犬、ぼくのことを絶対に好きだから。 こっから先が、うまくわかってもらえるっていうか…

小林秀雄がいた場所

人間は、一枚の紅葉の葉が色づく事をどうしようもない。先ず人間の力でどうしようもない自然の美しさがなければ、どうして自然を模倣する芸術の美しさがありましょうか。言葉も亦紅葉の葉の様に自ら色づくものであります。ある文章が美しいより前に、先ず材…