「ギルバート・グレイプ」をみた。

  ジョニー・デップを見たいなぁ、と思って「妹の恋人」にしよう!と決めて探してみたら、貸し出し中であった。残念。

  それで「ギルバート・グレイプ」をみることにした。若い頃に一度みていたけど、どんな映画か忘れてしまっている。再度みたら、面白かった。


  ジュリエット・ルイスは、多分、これが私のマイベスト。すごく可愛い。あのファッションは、そこらの女の子が真似してもダメだ。スタイリスト偉い。ジュリエット・ルイスは眼福。

  レオナルド・ディカプリオが知的障害の青年の役を好演。これが出世作?「太陽と月に背いて」はこれの後なのですね。知らなかった!この役はスゴイ。アカデミー助演男優賞をあげてもいいと思う。あげた方がいい。

  ラッセ・ハルストレム監督。


  ジョニー・デップは良かった。

  これでいいと思う。


  オーランド・ブルームじゃできないし、マット・デイモンじゃダメだ。

  

  ジョニー・デップじゃなきゃダメだ。

  無表情のようでいて、表情がしっかりある。割りと地に足がついた役だったけれど、彼が演じることでどこかトボけたファンタジックな映画になった。普通は重いよ、障害のある弟と母親を抱えて家を守って、旅立っていく恋人を見送るなんて。

  ジュリエット・ルイスが「あなたは何になりたいの?夢は?」と質問する。

  すぐに答えられない。

  「母にエアロビクスを。妹にもう少し大人になってもらいたい。弟には新しい脳を」と答えて、さらにきかれる「あなたは?あなたはどうなりたいの?」

  「よい人間になりたい」

  「新しい家がほしい。自分の家族を守りたい」と答える。

  こういうノリ、ハリウッド的でちょっとウンザリなのだけど。……実は、ウンザリしなかった!

  ジョニー・デップをはじめ、家族、恋人、友人、不倫相手など、緊張感ある丁寧な演技の賜物だろう。一人でも、適当な演技していたら、地味でダメなハリウッド的映画だったろう。

  「良い人間になりたい」といい年をした男が言う。家族を置いていけないと言う。

  ジュリエット・ルイスはトレーラーハウスで旅立つ。笑顔で旅立つ。いい年した女は普通は戻って来ない。

  でも一年後に戻って来るんです。

  ファンタジックでしょ?


  普通はありえないラブストーリー。


  今みたら、人間群像劇です。家族の物語。