風のない日の、淡い雪

  何と言っても。
  私は自分のことがあまり好きではない。

  「やればできる」とも思っていない。そしてやらない。
  「うまくできなくたっていいじゃない」とか「やりたいことだけやればいいじゃない」とか「途中まででも」とか「やろうと思うことが大事」とか、時々はいろいろ思うこともあるけど、自分自身を失敗作のように感じてしまう。
  
  本当は(よし、やろう)と思う前から、やるべきことはやっている。迷ったりはしない。
  
  「やらない」のは「やりたくないから」

  なんて強い意志だろう。迷いはない。
  溶けては固まり、繰り返し、重さを増していく万年雪のようだ。

   ちゃんと「できる」人は凄いと思う、けれどもそうなりたいとも思わない。自分がツラくなるから。
  「やらない」自分を許そうとも思わない。カッコ悪いから。

  堂々としていようと思うけれど、私はハリボテ。実のない人。

  頑張ることは素晴らしい。
  生真面目に、あらゆることを頑張れる人は、疲れるだろうな。
  ひとつやふたつでいい、頑張れることに出会えたら、素晴らしいだろうな。

  迷わないから楽なのだけど、もう少し迷う方が人としてソフトだ。
  そしたらもう少し、自分を好きになれる気がする

  風のない日の、淡い雪

  凍えながら、サクサクと積もりたい

  大きなうちあげ花火のように

  消えてしまったら良いのに