「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」ウェス・アンダーソン監督。2001年。
役者がそろった!
まさにそんな感じ。
脚本ねりねりで、セットは一軒家まるまるで作り込んで、少し古風なほど雰囲気を作り込んで、音楽はポピュラーなロックバンドで、アメリカの冬・曇り空で、場面転換が早くて、子供や動物も可愛い映画。
それでもって、家族再生の物語なんです。
強がったり誤魔化したりしながら、お互いそれぞれをそれぞれが許す物語。
オープニングがいきなりビートルズの「ヘイジュード」フル。
通常ならこの曲の使い方は物語の中盤や終盤だろう。この映画では、子供たちの紹介がこの曲なのです。末っ子の飼っているタカを屋上から空に放すシーンは、ちょうど曲の最終コーラスの盛り上がりで「ゴー、モルディガイ、ゴー!」カメラ、タカを追って空へ。
こちらとしては「…モルディガイ、すごい名前つけるな…、え?、終わり?じゃないよね??」という感じ。ダー、ダーダー、ダラッラッラー、ダラッラッラー、ヘイ、ジュー、だもの。
そう。こうして物語は始まるのです^_^ワクワクしちゃうよね。
そうしてジーン・ハックマン。
無敵!!いいなぁー。
アンジェリカ・ヒューストン。魔女のようだ。いいなぁー。
グゥイネス・パルストロウもこれが一番好きです。
俳優さん女優さんって、歳のとりかたがあるなあと思う。こういう映画みてると特に。
35ぐらいが絶頂、45ぐらいが絶頂、もしくは55ぐらいが絶頂なのではないか??と思う人がいるものだ。若ければいいってことはない!20のジーン・ハックマンはいいかもしれないけど、これほどまでに良くないだろう(歳の彼をみているからだと思うが、若い頃の彼は味も素っ気もないだろう)この色気、この洒脱、この貫禄。
曇り空のような色合いに、スローモーションのように印象的に、存在する人たち。奇妙に明るい人たち。
奇抜かもしれないけど、なんとなくモテそうな人たち。
若い人はそれなりにモガくし、大人はそれなりに受け入れる。かっこよくはないけれど、なんとかなりそうだった。何回もみたので最初に泣いたかどうかも忘れてしまったけれど、多分泣いていない。それなりにハッピーエンドなのだ^_^何回もみた。
いつも思う。
私は家族に許されるだろうか。
家族は私を許してくれるだろうか。
私は家族を許すだろうか。
私自身、家族の話をするのは苦手だ。冷静になれない。
そうして思う、やっぱりタカ(モルディガイ)はいた方がいいと。
曇り空が似合う。