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読む人と読まない人。

吐き出したもの 読書 日常

 

  2日間の連続研修でした。

  合間の休憩で、特に話して情報交換などしたい人はいなかったので、ひたすら読書していました。

  特に隣に座った人とは話したくなかったのです。

  あまりにも一方的に押し付けしてくるし、質問してもはぐらかしてストレス溜まるし、間違っているし、長いし。無視するのが一番^_^

  …というわけで、読書を決め込んでいました。

  

  1日め。

「死のドレスを花婿に」ピエール・ルメートル、訳・吉田恒雄。文春文庫。2015年。

  

  「その女アレックス」があまりにも面白かったので、同じ作者の作品。

  コレも「まさか!まさか!」の展開で、途中の主人公の境遇がグロいほどにキツイ。こんな事されたら狂う。サイコです。

  どんどん読ませてしまうのでエンターテイメント性は高いけど、サイコです。

 

  2日め。

  高野秀行の本。

  こちらは旅の行程など、ドキュメンタリーです。西南シルクロードを辿ることは果たしてできるのか?的な。

  

  読書していたら、私の隣の人が話しかけてきた。

  「何読んでるの?見せて」

  (何読んでいたっていいじゃないか)

  

  おもむろに本を手にとり、

  「何これ?」

  (しかたなく)

  「ドキュメンタリーです」

 

  「こんなに分厚い本、読めんわー」

  (分厚くないし、文庫だし)

 

  「よぅ頭に入るね」

  (そんなに複雑じゃないし)

 

  「私なんか読めん。集中できん。すげーね」

  (      、、、……)

  と本を返された。

 

  本が読めるほど集中力があるからすごいのか、集中して本を読んでいる事象がすごいのか、もう何が言いたいのかわからない。

  私からすれば純粋にエンターテイメントなわけで、意識が遠のきそうな研修の貴重な息抜きなのですよ。

  

  これが高野秀行ではなくてルメートルだったら理解されたのか?…ノン。

  例えば内容をかいつまんで説明してほしかったのだろうか?…ノン。

  どこがどういう風に興味深いのか、知識として蓄積されていくのか、意見や感想を話してもらいたかったのだろうか?…ノン。

  「よくわからないけどおだてておこう」…ウィ。これがこの人の真意ではないだろうか。

 

  その人には本を読む習慣はなくて、「本を読むイコール勉強」なのでしょう。

  私にはテレビをみる習慣がないので(ニュースくらいはみる)、「テレビを見るイコール暇」という等式が入るように。

  それでも、忙しくてもわざわざ時間を一生懸命つくってテレビをみる人だっている。

  私だって、わざわざ時間を割いて本を読んでいるんだ。

 

  なんとか読書している事に対してコメントしようとして、「頭いいんですね」とか「難しそうですね」とか「えらいね」みたいな事を言われると非常に腹がたつ。

   

  読書というのは最も受動的でお手軽な快楽だ。

  読書してから読書感想文を書いたり、批評したり、自分でも書いてみたりするならば多少は能動的な快楽になるけれど。読書それ自体はナマケモノの極みのような日陰の楽しみだ。

 

  美術品鑑賞とか、音楽鑑賞なんかも受動的快楽だけれど、自分の感覚と向き合うのだから読書よりも体感レベルは高いように思う。

  体感レベルで言えば、想像力を働かせる、言語リズム、音読、視覚認識くらい。やっぱり自堕落な気がしてしまう。

  趣味としても、魚釣りやモノづくりやボランティアのように役に立つわけではない。登山やサーフィンやジョギングのように健康に良いわけでもない。

  旅行のような気分転換に過ぎない

  (旅行好きな人は無条件に旅行が好きだけど、旅行しない人は全くしない。読む人と読まない人と同じように、全く別世界の住人のようだ)

 

  お金が儲かるわけでもない。

  仲間ができるわけでもない。

  爽快感や達成感は、あるとしてもちょっっっぴりだ。

  エネルギーを消費するわけでもない。

  情報が新しいわけでもない。

  公平で正しいわけでもない。

 

  フランスの猟奇的なサイコや高野さんの珍道中を読んだからって、何にもならない役に立たない。自分を楽しませているだけだ。

   

  だから放っておいてほしい。

  テレビみてる人に「暇なんですね」と話しかけるようなものだ。

  モトクロスやスケボーする人に「危なくないですか」と話しかけるようなものだ。

  旅人に「逃げ?」と話しかけるようなものだ。

 

  そうさ。逃げだよ。

  だから放っておいてよね!

 

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