凶暴につき。

  猫を2匹、飼っている。
  外でトイレをするので、出たそうにしてたら窓を開けてやる。飛び出していく。
  外から帰ってきたらゾーキンで体中をふいてやる、とりわけ足の裏、肉球

  茶色の猫の腹の毛が、禿げている。一昨年の冬からほぼ一年間、はえていない気がしていた。
  背中の右側も禿げてきた。
  老人性かと思った。
  そのハゲは一週間経たないうちにどんどんと広がっていった

  皮膚病を疑った。
  あのエリザベスカラーをつけなければいけないのか、、、と諦めた。
  もう一匹、猫がいるから。
  伝染したら困るので動物病院に連れていった。

  動物病院で「どちらの猫ちゃんですか?」と訊かれた。
  どちらも愛すべき家族で天使なのだけど
^_^
  茶色の猫は般若のようで、灰色の猫はどんくさい。
  「凶暴な方です」と答える。

  若いアシスタントさんは前回、茶色の猫のせいで怪我をした。
  仰向けにされ腹の毛を剃られるにあたり、猫は般若の顔で抵抗した。呪われそうだった。唸り声は怨みがましく、目を剥いていた。
  アシスタントさん達は「凶暴な方」「凶暴な方」と囁きあっていた。
  まだ暴れてないのに「リード、リード持って」「気をつけて」「今のうちに」「早く早く」なんて言われてタオルかぶせられてた。
  緊迫していた。

  …結果、マダニだった。
  耳の後ろにかぶりついていた。私が脂肪かイボだも思っていたデキモノは、マダニだった。
  薬が効いたら自然に黒くなって落ちるらしい。
  無理矢理剥ぐと肉を咥え込んでいるので傷がついてしまう、やらないでくださいと念押しされた。

  ニュースの殺人ダニをみてたので恐る恐る訊いてみた「ヒトは…私なんかは、あの、検査したりした方がいいのですか?」と。
  そしたら「昔っから多分あるんですよ。祈ってください」と笑われた。
  原因不明の死に、原因を与えているだけなのでしょうね。

  そういうものか。

  (猫は病気で辛くても話せない。
  腎臓病、成人病、癌…殆どヒトと同じような病気にかかる。
  薬や治療はどの程度すればいいのだろう。
  猫は猫らしく。自然死してほしい、なんて願ってしまう)


  ☆

  次の日。
  隣の席の人にマダニがついた猫の話をしたら、すごく沢山マダニとノミの話をしてくれた。
  思わず顔を歪めて、ヒィーーー!となるような。
  その人は足をマダニに咬まれたことがあるし、その人の息子の敏感な部分も咬まれたそうだ。
  
  その人は犬についたマダニをとってやるのが好きだと言った。
  とって足でプチッと踏み潰すのですって

  怖いなぁ