つまり、キャッチする快感。
ちょっと距離が空いてる人から人へ。
「投げるよ」と投げて受けとる、その一連が好きです。
当然、危ない物は投げない。消しゴムとか、キーホルダー付きの鍵束とか、台拭きとか、ライターとか。
「行くよ」と相手が言う瞬間に、落としたらカッコ悪いという緊張感が走る。
まだ受けとる前に相手が「あ、ごめん!」と言ったりする。自分が思ったより前だったり、力が入ってしまったりすると先に謝る。
せっかくイイ地点に投げてもらっても、慌てたり、慎重すぎてカッコ悪くなったりする。
ともかくキャッチできたら嬉しい^_^
声かけて相手に気づいてもらって上手い具合に投げる事を考えたら(相手が落として拾う敗北感を考えたら)、数歩自分が歩いて確実に相手に手渡す方が安全だしスムーズだ。
そんな事はわかりきっている。
ただ放物線キャッチの方が楽しい。
「はい、いくよー!」と声かけて、相手が構えるのがスタンダードだとすれば、
「ほいほいほい、ほ〜〜〜い」は過剰系。
「ほい!ほい!…ほい!…ほーい!」はわざとフェイントをかけて相手を惑わすテクニック。犬や猫にフェイントをかけてボール投げ遊びするのと同じ。ちょっと私に騙される様は可愛らしい。
受けとる側の構え方も割と色々あって、野球っぽいスタンダードの他に、空手っぽい人もいる。カンフー系。
デキる人はイチローのように背面キャッチを試みる。
フェイントとは逆バージョンで、受けとる側が投げる側を威嚇することも。バッチコーイ。ビビってるよー。
無心の型の人もいて、つい、ヒョイっと、掴む。どことなくカメレオンがハエをとるような、、、そういうのもカッコ良かったりする。
私は自分では普通に野球型だと思っているけど、自分じゃ気づかないだけで、変型なのかもしれない。自分のことは自分じゃわからないのです。
☆
この放物線キャッチは、基本的に対等の関係でなければ成り立たない。
いくら条件が揃っていても、例えば急ぎの物でも、上司には物なんか投げない。
目下の人に対しても、怖れがある。
なんとなく。年若い人たち同士で物を投げ合っているのを見たことがない。
ちょっと古いテイスト(?)がある。
刑事ドラマで「ほらよ」って男同士缶コーヒーを投げたり(?)
恋愛ドラマで恋人同士が贈り物を投げて逃げる、振り返って「それあげるー!」と叫ぶ(?)みたいな…。
スポーツドラマなら、選手同士、食べかけのリンゴ(?)とか?
放物線キャッチって、若干ダサい(というか古い)
「はい、行くよ」とコチラが構えても通じなさそうで怖い、、、。投げていいものか、、、「なんですかー?」と冷めた応対されたらもう立ち直れない。
そもそも、消しゴムもライターも自分専用だったりするしね。
投げかけたが為に、年若い人に嫌われたら嫌だ…。
そもそも教育現場で「物を投げない」とされているのかも、、、。
食べ物とか投げたらダメです。わかってます、ハイ。ごめんなさい。
こぼれる物も重たい物も壊れやすい物も投げたらダメです。長い物も刺さると困るから投げてはダメ。布製の物も飛ばされるからダメ。
ミカンとか。
ボールとか。
ハンドクリームのチューブとか。
小銭入れとか。
あとなんだろ、修正テープとか。
鍋つかみとか。
投げる物って決まってますね。
☆
これは言葉のキャッチボールも同じで。
未知の人には、誤解のないよう、丁寧に優しく放物線を描いて投げなければいけません。着地点というか、立場を明らかにしたり、意見を匂わせたり、簡単な話から始めたり。
投げ返しやすいように言葉を選んでいる人に対して、いきなりスマッシュを打ち込んでくる輩がおりますが、会話は勝負ではありません。
馴染んだ相手なら、多少の変化球も楽しいですが。
相手があってのこと。
投げてはいけない言葉もあるし、無礼な投げ方もある。
優しい放物線のキャッチボールが最上です。
いかがでしょうか?