もんじゃの作法
まず第一。心得。
もんじゃは「作る」ものではなく、「育てる」もの。
焼き肉や鍋に近いです。
鉄板とヒトとの生々しいコラボレーションです。
作法その1。
だいたいで済ますこと、やりすぎない、片手間にやること。
話しながら、サワー飲みながら、テキトーに「こねる」
料理する感覚はナシ。焚き火を囲む雰囲気です、マキをくべる的な。
待つのが大事。
横目で見つつ、クツクツといいだすのを待つ。
「そろそろかな…」を感じること。
作法その2。
感じること。
「これくらいだろ」「そろそろかな」
(内緒ですけど、もんじゃは「そろそろだよ」と発してきます。そのアピールを感じてください)
焦ってはいけない。
鍋をしていて人参が待ちきれないヒトは要注意、必ずそのタイミングは訪れます。焦ってはいけない。
膜ができて、トロトロとしてきて、匂いがたってきて、凝縮された皮がおコゲとなる瞬間。ハガシでつぶしてくっ付けるのです。
フライングより、出遅れる方が味わいはあります。煮詰まった豆腐やシラタキのように。レアよりもウェルダン。もっちりした感じ。
…やらずに終わる後悔よりも、やりすぎてしまった後悔の方が清々しいよ。…そうやって飛び出しがちだけど、じっくり待つのも大人っぽいよ
…とにかくコミュニケート!!相手のあることなのだから、ひとりよがりは絶対ダメです!!(注。もんじゃの話です)
作法その3。
未完成の発見 。
入れ忘れていたトッピング。テキトウに投入された調味料。
鍋奉行は支配者なのに対して、鉄板参加者は平等ですコラボレーションです。
領地として自分の目の前の部分だけ、創作料理を展開するもヨシ。
鍋をつつくように、お互いの具材を分け合って。譲り合って。提案しあってはいかが?
100人いたら100通りのベストもんじゃがあるはず。
自分の殻を破ってみよう
作法その4。
それぞれのハガシ。
金属製のミニサイズのヘラをハガシという。
それぞれが一口サイズのもんじゃを「じゅっ」とつぶし、くっ付けて食す。
お好み焼きはヘラで取り分け、ハシで食すが、もんじゃは鉄板から直にハガシを使って食す。
あたり前の事だけど、ゆっくりと食べたらこげる。鉄板は待ってくれない。
臨場感もスピード感も格段に違う。参加しているライブ感。…そうは言っても、他人の領地のもんじゃが美味しく見える^_^隣の芝は青い青い。
ハガシで「じゅっ」とする手応え。一期一会の味がある
作法その5。
…だからこその、こなれ感。
だからこそ気合入れて鉄板に向かう姿は、ちょっと恥ずかしい。「ヨシ土手つくるよー!」と気合入れるのはナシ。「そろそろ土手頃かもね」「なんとなく土手にしてみたよ」があってる。
自然な手つきでつつきたいものです。
「ハイ、ひっくり返すよー!」と気合でひっくり返すお好み焼きとは対照的に。
もんじゃはつつくのです、片手間に。
「いっけね。できてるよ^_^早く早くー」
まとめ
おしゃべりに興じて、サワーが進んで、もんじゃがおろそかになる位がかっこいいです。美味いもマズイも無いです。雰囲気を食べるようなもの。
それぞれが身につけてきたもの。歩んできた道。
料理としてはB級とか、そういうことでもない。
身に染みたおでんのようなもの。駄菓子屋おでんと違うのは、完成された食べものではなく、皆でつつく臨場感。
語れ、
自分を語る場なのであります、、、
…こういうのが私の中で「もんじゃの正しさ」です
サギソウ(ツルソウではないよ^_^)
極楽な猫の寝顔