本能

全力で逃げろ!

ある人が言っていた。 「この世の中の半数は、付き合うのを避けるべき〈悪〉の人。言葉も通じないニワトリのような人たちだから、変えてみせる!なんて思ってはダメ。全力で逃げなさい。振り切りなさい。関わってはいけない」 「そうなのかなぁ」と思う人は…

とらえがたいもの。

いきなり引用する。 白洲正子『遊鬼』の中で、彼女の師である青山二郎の言葉。 「美なんていうものは、狐つきみたいなもんだ。空中をふわふわ浮いている夢にすぎない。ただ、美しいモノがあるだけだ。モノが見えないから、美だの美意識などと譫言を吐いてご…

温かい蕎麦。

魅惑の木の子蕎麦。 甘く煮付けた椎茸、しめじ、ナメコ、エリンギ、平茸、えのき茸。 少し濃いめのつゆ。 つゆに浸った、大きく斜めに切った長ネギ。 それとは別の小皿、小口切りにした生のネギ。 刻み海苔。 糸みつば。 季節限定ではないが、秋に食べると…

透明人間。

あるブログで。(私だって楽しいことを書きたい)という人がいて。 なんというか、ズシリときた。 本音の重みだ。 私は、報道カメラマンが治安の悪い国で仕事をするのを連想した。 彼等は、目の前で突きつけられる銃や、走って逃げる人々や、難民や、デモや…

午後12時半。山と谷を超え、道路上のイガ付きの栗を避けて運転したらかなりな暴走になり、けれど他に車もいないのでヨシとしたがこれがヤバイくらい楽しく、落ち葉までよけて暴走しながら、予約注文した豆腐のことを考えた。

渡辺さんのお豆腐。 渡辺さんのお豆腐は、手作りで、決まった分しか作りません。前日に注文しておいた。お客は、自前のお鍋やタッパーを持って行って、入れてもらう。一丁、130円。木綿。水も違う。蛇口の水ではなく(魔法の水)に浸かっていて、大切そうに…

夕方6時。川沿いのサイクリングロードで、暮れるのが早くなったなと思いながらジョギングをし、ぼんやりと考えたこと。

私は広い処が好き。 海とか砂丘とか飛行場とか港とか。山のてっぺんも、見晴るかすことができるので好き。同じ意味で、観覧車のてっぺんも、飛行機からみる窓の外も好き。 地平線や水平線が、まあるくカーブしているのを見れたら幸せ。 鉄道の旅は、広いこ…

言葉は信じなくてもいい。

何と言ってよいか、わからないけど。 本当に助けが必要な人というのは、多分、「自分には助けが必要だ」という自覚が、ない。 まだ大丈夫。と思っていたり、 自分よりも悲惨な人は他にもっといると思ったり、 無思考状態になっていたり、 他のことに集中し…

「ギルバート・グレイプ」再考。無意識について。

「サイダーハウス・ルール」映画の監督なのですねぇ。 映画は観てないんですけど。原作者ジョン・アービングは大好き。 私はレイモンド・カーヴァーも大好きだし、ヴォネガットも大好きだし、チャンドラーも大好きだし、フィッツジェラルドも大好きなのです…

傲慢な愛情。

映画を批評しようとしている場面で、信用してはいけない言葉。 ・テーマが見えてこない。 ・人物が描けていない。 ・ストーリーが読めてしまうからよくない。 ・エンターテイメントとしたらいい。 ・芸術作品としたらいい。 ・登場人物に感情移入できない。…

ちょっとだけ堕落。

イチジク。 なんとなく昔からある果物のような気になっていたけど、江戸時代に長崎から伝わってきたみたいです。 当時は「蓬莱柿」「唐柿」「南蛮柿」と呼ばれたようです。不老長寿の果物。 イチジク自体の歴史は古く、古代ローマ時代から栽培されていまし…

私という物語。

ヒトの肌の色は違う。ヒトの瞳の色は違う。ヒトの髪の毛は違う。ヒトの顔は違う。 何故なら、太古の昔に私たちの祖先が、環境に適合するために、機能を備えてきたから。 光を判別する、音を聞き分ける、信号を発する、私たちは五感を発達させて、意思を確認…

正しい夏の流され方。

蕎麦屋でざるを注文する。 ここの蕎麦屋は美味しいので昼時は混雑する。合席が当たり前だ。すぐに出てくるし、客も長居はしない。滞在時間は約15分。隣りのおじさんも、音を威勢良くたてて蕎麦をすすりあげる。美味しい。食べ終わった後の、どろりとした蕎…

個人的流儀。

いつもは考えないようにしている。 思い立ってしまった時に、自分をどう抑えたら良いかわからないから。求めてしまった場合の飢餓感は半端ない。代用は効かない。高い代金を払ったとしても、それは保障されない。失敗することだって、あるのだ。 それは、桃…

シックスセンス

視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚。動物の持つ五感の中で、ヒトは視覚を発達させた。視覚によって、より多くの情報を伝達する。 道具として言葉も使う。より抽象的な情報も伝達できるようになった。 それぞれの感覚器官がある、目、耳、肌、舌、鼻。喉、胃袋、…

夏バテ

すいかを切る。 包丁をあてると、自らぱくりと割れる。「熟れている」と表記すると、崩れるような甘ったるさを連想するが、シャクシャクとして何とも言えないさっぱり感がある。重量はあるはずなのに、軽やかに割れる。 すいかに包丁を入れる快感って、何だ…

タスク

自分の子供に「たすく」と名づけた母親がいた。健やかな男の子。 「たすく」より前に、生まれなかった子供がいた。流産ではなく、堕胎。男も自分も望まなかった子供なので、仕方ないと割り切ってそれほどの罪悪感もなく堕胎したらしい。 「たすく」は英語の…

美しく死んではいけない。

今回の大河ドラマを、わりと真剣にみている。 会津が戦争に追い込まれれば追い込まれるほどに、演者が見せ場を迎え、期待通りに魅せてくれる。いえいえ、期待以上です…! なのですが…、 … 先週の回はもう、死に過ぎ。 歴史物語なので、仕方ないのですが。 白…

フルーツ考

林檎、葡萄、苺、桃、無花果、梨、柿、西瓜、桜桃、蜜柑、檸檬、柘榴、杏、… キウイフルーツ、グレープフルーツ、プルーン、アボカド、パパイヤ、マンゴー、オレンジ、ブルーベリー、アメリカンチェリー、ドリアン、スターフルーツ、パイナップル、メロン、…

ホタル幻想

近頃のホタルは宵っ張りになってきたが、だいたいゴールデンタイムは夜8時から9時。10時過ぎでも飛んではいるが、乱舞は期待できない。 在住の方にぽそりと教えてもらったのだが、ホタルは夜明け前にも飛ぶらしい。朝のほの暗い時刻のホタルもまた格別…

美味しい顔

すんごくすんごく美味しいモノを食べた時、人は泣きそうな顔をする。 泣きそうな程幸福なんだと思う。(同時に食べ終わったらなくなってしまうという淋しさもあるのか?)女性の方ならわかってもらえると思うが、女性同士なら「コレ、最高に美味しい!」と…

小林秀雄を想う。

私の左手の中指の指紋の、ちょっと人差し指側に異物が入りこんでいる。 小さな棘。あまりに細く短いので毛抜きで抜けない。まわりの肉をぎゅーっと押しても、頭が盛りあがってこないので挟めないのである。もちろん五円玉のドーナツ部分を使っても駄目なの…

思考について

死んでいる人は死にたいとは思わない。考えない人は考えないでおこうとは思わない。 言い訳は具体的。判断は直感的。予測は抽象的。そして結果は必然的にやってくる。 知りたがる子供は放っておけばよい。自分は知っている、と思い込んでいる大人にこそ教育…

理由なんかない

自分の意識のうちに、クールな部分とホットな部分がある。 クールな私は外側の私。美意識の私で、空気を読む私。批評する私。 ホットな私は内側の私。悪趣味な私で、空気を読まない私。野蛮でズボラな私。 美意識はこれはしない方がいい、こうあるべきでは…