自分の子供に「たすく」と名づけた母親がいた。健やかな男の子。
「たすく」より前に、生まれなかった子供がいた。流産ではなく、堕胎。男も自分も望まなかった子供なので、仕方ないと割り切ってそれほどの罪悪感もなく堕胎したらしい。
「たすく」は英語のtaskの意味。由来。
二度目の子供ができた時、彼女は男と別れた。別れたけれど産むことを決めた。そして、産まれなかった子供のことをその時になって想うようになった。「二人分、幸せになってほしい」というつもりで「たすく」と名づけた。
私はすごく良い名前だと思う。
奇跡のような確率で私たちは生まれ、生かされている。
限られた時間を幸せに生きることは、タスク。
(日本語風に考えれば、助ける、にもなる。助ける人というのも、かっこいい)動詞のような名詞、というのも、かっこいい。なんとなく。
たすくちゃんが言いました。「僕、幸せってどんなか知ってるよ。こうでしょ?」手のひらを合わせて、「いただきます」
大正解!
その通り!
私たちは幸せになるために生きている。